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1日120円!? 超下流版「ノマドワークのススメ」

月数百円の契約で無線LANを使える店は多い

 ここ数年、「ノマドワーキング」という言葉をよく耳にするようになった。簡単に言うと「会社に縛られずに外で仕事しよう。発想も広がり、いい企画が生まれたり、仕事がはかどるぞ」という無線LANや3G回線の普及に伴い増えてきた働き方だ。都内には、ノマドワーカーをターゲットにした「ビジネスラウンジ」が盛況になるなど、ビジネスシーンが変りつつあることを感じさせる。

 ビジネスラウンジのなかには月1万5000円程度で利用できるところもあり、オシャレかつ安価にノマドワーキングできるというわけだが、「僕は1日120円、毎日通ったとしても月3600円程度で利用できるビジネスラウンジを活用していますよ」という豪胆な自称ノマドワーカーに出会ったので、その禁じ手とも言える彼の激安流浪術を紹介しよう。

 元IT系のMさんは、ウェブサービスの配信がメインの仕事。場所を選ばず、出社もしなくていいという条件で働いているが、実家暮らしゆえ、どうも家では仕事がしづらい。そこで、活用しているのが無線LANスポットがある某ファストフード店。月数百円で無線LANスポットが活用できるサービスを契約し、1日中その店でウェブの更新をしているという。まずは彼の1日を見てみよう。

Mさんの1日@某ファストフード店

朝、入店。アイスコーヒー(120円)を購入。

午前中いっぱい、原稿確認、作成など。

昼ごろにパソコンの充電が切れるので、荷物を置いたままいったん実家に戻り、昼食&充電

充電終了後、さも当然という顔をして某ファストフード店に戻る

午後、仕事のパソコンの充電が再び切れるまで仕事

夕方、1日の仕事を終えて帰宅

 どうだろうか。「単なる貧乏人がずっと店に居座っているだけじゃねーか」と言われればその通り。Mさんは最近、大きな仕事から外され、収入がほとんどない。実家暮らしだからできる技とも言える。「ノマドワーカーなら、パソコンの充電パックぐらい用意しとけよ」というツッコミもその通り。しかし、Mさんには充電パックを買うカネもない。

 しかし、ここで学んでほしいのは、「いかに、同じ店舗に毎日居続けても店舗から追い出されないようにするか」という下流ノマドワーキングのテクニックである。

「店長に目をつけられるのは覚悟してください。ポイントはいかにバイトと仲良くなるか、です。昔は勝手に電源を取っていて店長に怒られて、今の『昼にいったん実家に帰る』スタイルを確立したんですが、店長はずっといるわけじゃないですからね。バイトもシフト制ですし、話しかけたりすれば自然と顔を覚えてもらえますし、居心地いいですよ。何よりほかのお客さんが話している会話とかが、いい雑音になって仕事に集中できるんですよ。ネタも拾えますしね」(Mさん)

 ちなみにそのファストフードチェーンには電源を提供するサービスがあるが、Mさんの通う店舗はサービスを提供していないそうだ。ていうか、ノマドワーカーとかなんとか言う前に電気ドロボーだったということが判明したMさんだが、実は最近大きな仕事を当てて、2か月後からはじまる入金で貧乏生活を脱出できそうな目算が立っているという。カネが入ってきたら、コーヒー1杯120円で居座れるその店に通うのをやめて、それこそビジネスラウンジを活用したり、別の無線LANスポットを提供する店に通うつもりはないのだろうか。

「いや、その店はコーヒーもお代り自由で、1日に3~4杯はいただいてますからねえ。あと、やっぱ居心地いいですし、通い続けるでしょうね」

店にはいい迷惑だろうが、カネが入ったらせめて昼食ぐらいは食べてあげてほしいものだ。


文/織田曜一郎

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