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『極道めし』作者が選ぶ最高/最悪の「思い出めし」

「あのとき食べたアレ、うまかったなー」「あの店、ゲロマズだったよ」なんて話はいつだって盛り上がるもの。てなわけで、いろんな人に[人生最高/最悪のメシ]を聞いてみた。子供時代の思い出の味から異国で食べた謎の料理まで、究極のメシ話をご賞味あれ!

<マンガ『極道めし』作者・土山しげるさんの場合>

◆小学校の運動会の弁当で母が作ってくれた海苔巻きの端っこが最高

『極道めし』の中で取り上げている料理の味や食感の描写は、すべて自分の実体験なんです。あ、もちろん物語は創作ですよ。極道や無頼の経験はありませんので(笑)。

 作中でさまざまな料理を描いてきましたが、今回、「最高のメシ」ということで真っ先に頭に浮かんだのは、小学校の運動会の弁当で母が作ってくれた海苔巻きです。それも、海苔巻きの端っこを切り落とした部分。海苔やご飯と比べて具が多く、見た目は汚いのに、妙にうまいんですよね。弁当の支度をする母の背中を見ながら、海苔巻きの端をつまみ食いするのが、運動会の朝の楽しみでした。

◆緊急入院した翌朝の素っ気ない朝食に呆然

 同じく小学生の頃、休日に家族で外出して、映画を見たりしたあとに食べた不二家のホットケーキも捨てがたい。できるだけ細かく切って、シロップをビタビタに染み込ませるんです。頰張ると中からジュワッと甘みが広がって……。でもまあ、ひとつ選ぶとしたら、やはり海苔巻きでしょうね。

 対して「最悪のメシ」は、緊急入院した翌朝の朝ご飯。以前、過労で病院に担ぎ込まれたことがあるんです。朦朧としながら目覚めると、素っ気ない朝食が用意されていた。パサパサの食パンに少しのマーガリン、ゼリーみたいな献立で、これが恐ろしくマズい。ただでさえ食欲がないから、まったくノドを通りませんでした。病院食は総じて味気ないものですが、これは突出してマズかったです。ただ、食のうまいマズいって、誰と食べたか、どんな状況で食べたかが実はとても重要。締め切りをどうにか乗り切った解放感に浸りつつ、アシスタントも帰った仕事場で一人、缶ビール片手に食べるコンビニのおでんや焼き鳥は最高にうまいですからね(笑)。

土山しげる【土山しげるさん】
’50年、石川県生まれ。’73年デビュー。先頃映画化された『極道めし』のほか、『食キング』『喰いしん坊!』『大食い甲子園』などグルメマンガで名高い

― 我が人生[最高/最悪のメシ]告白集【4】 ―

極道めし 1

“おせち料理”を賭けての“めし”自慢バトル




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