中国が液晶パネル増産 日本メーカーは正念場に
◆危うし“ものづくり日本”! 洪水と価格破壊の打撃が……
地デジ化に伴って普及した液晶テレビ。しかし、製造する国内メーカーにとって、’12年は受難の年になると、ITジャーナリストの一条真人氏は言う。
「液晶テレビの技術はシャープが開発してリードしてきました。ですが、今や世界シェアでは、韓国のサムスンやLGのほうが上位。日本のメーカーは、この分野での優位性を既に失っているんです」
そんななか、’12年はさらに大きな問題が生じる。中国で次々に大型液晶パネル工場が操業を開始するのだ。それも、その多くが中国のメーカー。これで、安価な液晶テレビが過剰に供給され、価格競争に弱い国内メーカーは一層窮地に追い込まれるというわけだ。
「ある程度の品質の液晶パネルなら、中国のメーカーでも製造可能ですからね。さらに、価格性能比ではサムスンに先を行かれており、厳しい一年になるでしょう。タイの洪水で部品供給が止まり、供給過剰にはならないという見方もありますが、被害を受けたのはもっぱら日本のメーカーですし……」
この状況に対し、例えばシャープでは液晶テレビ部門を縮小、小型のスマホ向け液晶パネルに注力するなどの対策を講じている。しかし、先行きには不透明感が漂う。ものづくりの国・日本にとって、’12年は正念場となりそうだ。
― やっぱり[2012年問題]がやって来た【2】 ―
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