“Jポップの伝道師”DJ和が語る、ミックスCDのこれからの在り方
今でこそJポップを集めたコンピアルバムやミックスCDは何種類も存在するが、その草分け的存在となったのが、DJ和(かず)だ。最初に手掛けた『J-ポッパー伝説』(’08年)からミックスCDを多数リリースし、その累計数はなんと110万枚を超えている。
近年では国内のフェスに参加するほか、海外のイベントにも多数出演するように、「Jポップの伝道師」として幅広く活動している。ただそんな彼、実はDJとしてリリースを重ねる一方で、現役のソニーミュージックの社員でもあるのだ。
自分のミックスCDの権利許諾作業から社内プレゼンまでをこなしつつ、できあがった作品をリリースする。そんな異色の二束のワラジを履く彼が、新作ミックスCD『俺のラブソング』をリリースした。
全36曲が集められた今作の内容は、’80~’90年代Jポップの王道ラブソングばかり。
「君がいるだけで」(米米CLUB)、「ロマンスの神様」(広瀬香美)、「恋しさと せつなさと 心強さと」(篠原涼子 with t.komuro)、「DEPARTURES」(globe)、「愛のために」(奥田民生)、「夏の日の1993」(class)、「M」(PRINCESS PRINCESS)、「シングルベッド」(シャ乱Q)、「ラヴ・イズ・オーヴァー」(欧陽菲菲)、「LOVE LOVE LOVE」(DREAMS COME TRUE)
などなど……、トータルセールス(当時)を合わせると、なんと3600万枚にもなるすさまじいまでのヒットソング集だ。「Jポップの伝道師」は、どのような意図で今作を手掛けたのか。彼の経歴を振り返ると共に、Jポップ・コンピの在り方を考えてみた。
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――今でこそJポップやアニソンのDJとして名を馳せていますが、もともとはヒップホップのDJをしていたそうですね。
そうですね。当時は高校生だったのですが、ヒップホップがブームで、とりあえずDJをやってみようというミーハーな心で始めたんですよ。
――そこからクラブでJポップを流し始めた。
最初はヒップホップでずっとやっていたんですけど、あの頃はクラブで日本語の曲が流れることが全然なくて、みんな洋楽ばかりだったんです。「クラブ=洋楽が流れる場所」という感じでした。でも、上手いDJほどいろんな曲を取り入れるし、それと同時期に「Jポップナイト」というイベントが始まったりしたんです。たぶんeggmanで最初にやり始めて、その後にATOMやcamelotでも始まったりしたと思うんですけど。
だから、当時の雰囲気としては、みんな洋楽を聴きすぎて少し違うイベントを求めているような感じがあったんですよ。ネタっぽいイベントというか、そういうイベントに参加しながら、あぁこれは面白いなと思うようになって、Jポップを流し始めました。
ただ、当時は今よりもそういう曲を流すのが異端というか、ダサいというイメージも同時にあったんです。お店からも「そういうイベントはダメ」って言わることもありましたから。だから僕みたいなDJはかなり珍しい存在だったと思います。
『俺のラブソング mixed by DJ和』 「すべての恋には、テーマソングがある。」シングルCD総売上3600万枚超!ミリオンセラー満載の最高級ラブソング32曲収録。アラフォー・アラフィフ感涙の原曲ノンストップミックス! |
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