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“Jポップの伝道師”DJ和が語る、ミックスCDのこれからの在り方

――改めて’80~’90年代のJポップの豊富さが鮮明になりますが、こういった「Jポップコンピ」を、もっと最近の、’10年代以降の曲で作ろうとなると、逆に代表曲が難しくなる気がします。  そうですね。たぶんこういうコンピCDを作るとなると、’00年代がギリギリだと思いますね。’10年以降はJポップじゃなくなっているというか、そもそも単語の話だけなんですが、もっとジャンルが細分化されていると思うんですよ。それまではJポップと呼ばれていた曲がもっと細分化されていて、それをリアルタイムで聴いている若者が今の曲をJポップと言われても、ピンとこないと思うんですよ。僕らはJポップとして売れている時代を経験しているのでわかるんですけど。  だから’10年以降でやるとすると、「Jロック」とか「アイドル」とかもっと細かく分けないといけないと思うし、そもそもオールジャンルのDJが増えたように、もうジャンルで縛る意味があんまりないんですよね。だからこういうコンピアルバムも、もっとテーマで縛ったりとか、時代が変わってきているんだと感じます。 ――定額ストリーミングサービスのプレイリストも、ある意味では自分なりのコンピになるわけですしね。  そうなんですよね。だからコンピCDの在り方というのも変わってきていると思うんです。僕が’08年に最初の作品を出した時は、まだギリギリでCDを所有する時代だったけど、今は音楽の聴き方自体が変わってきていますから。今はYouTubeの関連で出てくる曲を好きになることのほうが多いと思うんですよ。  ただ、そうしていろんな聴き方が増えたぶん、逆にDJとしての仕事もあるような気がしていて、みんななんとなく知っているんだけど「聴くのを忘れている曲」というのを掘り下げるのは、逆に意味があるような気がするんです。単なるセレクターという役割じゃなくて、そういう昔の曲をテーマを設けて改めて伝えるというか。  だから今後は演歌とか、もっと従来のDJとは離れた方向でテーマを探っていきたいなとは思うんですよね。よりクラブっぽいところに行ってしまうのはつまらない気がしていて。あとはもっと時代をずっと遡っていくとか。新しい曲を扱えばどんどんコアになっていくと思うし、逆に古い曲を扱うとどんどん幅が広くなっていくので。そういう風に、日本のDJじゃないとできないとこはまだまだあると思うので、もっと面白い方向性を探っていきたいですね。 <取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/山田雄二>
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