更新日:2022年11月20日 09:42
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伝説のゲーム『moon』『チュウリップ』を手がけたクリエイターのスマホゲームは、やっぱり伝説級だった

ゲームコラムニスト・卯月鮎の絶対夢中★ゲーム&アプリ週報

卯月鮎

卯月鮎

 1997年にPS1で発売された『moon』は、今となってはちょっとした伝説でしょう。何語ともつかない言葉をしゃべるヘンテコなキャラ、RPG風の世界でありながらアンチRPG・アンチゲーム的なシナリオ、リアルタイムに時が流れ、ゲームプレイヤーが嫌う待ち時間をも攻略に採り入れたシステム……。すべてが独創的で衝撃でした。  その『moon』の制作メンバーであり、のちに知る人ぞ知る超個性派の名作『チュウリップ』を手がけた木村祥朗氏が社長を務めるインディーゲームスタジオがOnion Games。現在Onion Gamesからは2本のスマホアプリがリリースされています。スマホで遊びやすいよう、ゲーム自体は一画面で気楽にプレイできるスタイルですが、音楽や世界設定、演出はまさにオリジナリティの塊! 一度ハマってしまうと抜け出せなくなる2本を紹介します。 『Million Onion Hotel ミリオンオニオンホテル』 iOS、Android/ Onion Games K.K./480円

ミリオンオニオンホテル

 iOSでは10月、Androidでは11月に配信が始まった『ミリオンオニオンホテル』は、もぐら叩き感覚のタップ系アクションパズル。5×5のマス目に生えてくるタマネギを次々とタップし、タテヨコ斜めで列を作っていくビンゴのようなルールです。スタート時のタイムリミットは30秒、列を揃えると出てくるタイマーを取るとリミットは延びていきます。  一気に2列以上揃える「ダブル」や「トリプル」を狙うのがポイント。ボーナスゾーンへ突入すると、演出もにぎやかになり、フルーツも出現してさらなる高得点をゲット! ボス敵との対決もあって、タップする指にも自然と力が入ります。攻略法やコツを自分で見つけて上達していく、ファミコンライクな手触りもプレイヤーを夢中にさせる一因です。  ゲーム性もさることながら、その小粋な音楽とシュールな世界観もスパイシー。舞台は戦争が続く二国の国境にある奇妙なホテル。「マジックオニオンスープ」が名物というこのホテルにやってきた独裁者と美女はベッドを共にするが……。こんな幕間劇がゲーム中に挿入され、大人な物語が進んでいきます。遊びやすいのに、アクとクセはタマネギ以上の尖ったゲームです。
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悲哀に満ちたおっさんの恋と復讐のRPG!?
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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