まだある!東京オリンピックの不安要素<コラムニスト木村和久>
― 木村和久の「オヤ充のススメ」その201 ―
最近、東京オリンピックのマスコットが正式に決まりましたね。出来あがったものをみて「なんだかなあ~」というのが、正直な感想です。完成度は高いですが、どうしても秋葉原のアニメ系のキャラクターに見えるのです。スポーツの祭典、オリンピックを連想しづらいのが難点です。
デザインの評価は個人のテイストがあるので、賛否両論あってよろしいと思います。けど、あれをヌイグルミには、しづらいだろうなあ。何しろ市松模様や桜の花びらや耳の部分など薄い作りなので、すぐ取れそうです。しかもぬいぐるみになった、イメージがピンと来ません。ずっと平面デザインのまま使うのも、どうでしょうか。
これなら今流行りの、「秋田犬」のぬいぐるみを作って、表彰式のときにプレゼントするとか。工夫が必要だと思います。
でも、これは決まったことであり、新エンブレム同様、覆ることはありません。なぜ覆らないか? それは過去の教訓を活かした決定をしたからです。「エンブレム盗作騒動」と「新国立競技場、予算超過問題」が起きて、決定過程が不透明過ぎると、マスコミの集中砲火を浴びました。そこで組織委員会は何をやったか。決定過程を透明にして、みんなに見せたのです。マスコットにおいては人気投票にし、誰の反論も言えなくしました。
だから、決定過程は実に素晴らしい。1万6769校の小学校に依頼して人気投票を行った。その結果を無視できるわけがない。選ばれたものがイマイチだと、口が裂けても言えないのです。私はいいますが。
今後もいろんなことが透明化されて、決定するでしょう。不正はないと思います。けど、それが素晴らしく出来のいい結果を、残すとは限らないのです。
やはり最初にあたりをつけて、この優秀な作品、プランから決めて行くのも大切なのではないか。そう思えます。
というわけで、東京オリンピックをどうすればいいか、先日終えた平昌オリンピックからも多少学び、役立てたいと思います。注意したいのは、以下のところです。
①日本の技術にこだわらない
平昌オリンピックの開会式、ドローンでの五輪描きは見事です。噂では東京五輪のとき、人間が乗ったドローンが聖火を灯すと言われていますが、最低でもそれはやって欲しいです。正直、もっと上を目指したいですけど。
特筆すべきは、五輪マークを描いたドローンはインテル製だったことです。ここで勘違いして欲しくないのは、「技術大国、日本の底力」を鼓舞しないことです。すでに自動車の自動運転技術は、グーグルなどのIT企業と組まないと、立ちゆかない。そういう状況に追い込まれています。日本の技術力がトップだった時代は終わっています。
ここは世界の最先端技術を調べて、そこに発注しましょう。スマホやパソコン、液晶テレビと連敗続きの日本、国産品を使って、恥の上塗りにならないことを祈ります。
同様に開会式もプランニングするアーティストや文化人が決まってるようですが、世界の有名監督やプロデューサーに依頼してもいいんじゃないですか? 決定過程が透明でも、出来あがったものがしょぼくてはしんどいです。
②テレビ映りは大切
平昌オリンピックの会場の環境は寒くて風が強く、アイスバーンも多く、選手もひと苦労。しかも、観客を運ぶシャトルバスがなかなか来ないなど、非難ごうごうでした。けど、テレビ中継を見る限り、うまく運営している、演出しているように見えましたけど。
すでに韓国政府は大成功と自画自賛していますからね。
言い方が悪いですけど、現場の状況よりもテレビ映りさえよければ良いのです。結局、判断するのはテレビを見る何十億の人々でしょ。
もちろん、おもてなしの日本ですから、会場での評価も素晴らしく、現場をおろそかにしないでしょう。日本人って、真面目だから、そこは外しません。逆に一生懸命、おもてなしの運営をしたのに、そのおもてなしがテレビに反映されない。つまり、どういう風に映るかを、あまり考えないのです。そっちも大事だと言いたいのです。
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