『ゴー宣』も『おぼっちゃまくん』も復活。小林よしのりが「ギャグも描ける!」と吼える
23年ぶりに『週刊SPA!』での連載を4月3日発売号より再開することになった『ゴーマニズム宣言』。だが、作者の小林よしのり氏は64歳にして今、大忙しだ。なんと、あのギャグ漫画の金字塔『おぼっちゃまくん』も復活させ、すでに5年に渡って紡ぎ続けている『大東亜論』、異色ともいえる「エロ」にも挑戦した『よしりん辻説法』など連載も目白押し。
そこで、2018年現在の「漫画家・小林よしのりの世界」を探訪することで「よしりんの3つの顔」を覗いてみよう。これらを知れば、新しい『ゴーマニズム宣言』の世界もより深く楽しめるはずだ。まずは、『小説幻冬』2018年4月から連載が始まったばかりの『おぼっちゃまくん』から。
小林よしのり氏は1975年に『週刊少年ジャンプ』で漫画家としてデビューした。1976年には初の連載作『東大一直線』でいきなりブレイク。そして1986年に始まった『おぼっちゃまくん』はコミックス累計630万部の大ヒット作でアニメ化もされた。「ともだちんこ!」などの「茶魔語」(主人公・御坊茶魔の独特な言葉)が子供たちの間で大流行したことは言うまでもないだろう。
だが、なぜ今『おぼっちゃまくん』を復活させることになったのだろうか?
「時評的な思想エッセイ漫画だけを描いていたら、『もうフィクションやギャグが描けなくなったから逃げている』と思われるのではないか、という恐れがあるんですよ。わし、それがイヤなんです。『絶対にギャグは今でも描ける!』と思っていて、それを示したいんですね(笑)」
当初は別の雑誌からの引き合いもあったが、刊行ペースなどの事情から「なかなか原稿が溜められないな」と躊躇していたところに『小説幻冬』からオファーがあったという。
「いきなり単行本でガーンと出そうかな、とも考えていたんだけど、やっぱりどんどん連載が増えてくると描けなくなってくる(笑)。ところが『小説幻冬』が何ページでもいい、と。しかも『増えるならいくらでも増えてもいい』と言うから、『それ、描きやすいわな(笑)』とか思って。全部、活字だらけの小説雑誌の中に漫画が載っていること自体も、ちょっとびっくりするし、面白いんじゃないかな」
『おぼっちゃまくん』自体はときどき依頼があって描いていたというが、本格的な連載再開は26年ぶり(『月刊コロコロコミック』で1994年に連載終了)。ブランクは心配ないのだろうか?
「ギャグはわしは描ける。ギャグ漫画だけで絶対に笑わせることができる。それをどうしても証明したい。ギャグはやっぱり人はそんなに長くは描けないんですよ。だいたい4年ぐらいで潰れちゃうって、よく言われているじゃないですか。だからやっぱり、これを60歳過ぎても、昔と同じようなパワフルなギャグが描ければ、人は脅威に思ってくれるだろうって(笑)」
実はこのインタビューをしたのは『小説幻冬』4月号の発売前日。「その話ぶりだと、かなり自信はあるってことですね?」と聞くと……。
「あるってことだね、そりゃ(笑)。だから、まぁ、それを証明する、ということですよ」
ニヤリと小林氏は笑った。
※明日は『大東亜論』を紹介!
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