低能先生はなぜHagex氏を刺殺した?報道とは違う“ネット民が見た経緯”
「Hagex」のハンドルネームでブログを書き、IT関連セミナーの講師も務めていたインターネットセキュリティ関連会社の岡本顕一郎氏が、福岡県の創業支援施設「Fukuoka Growth Next」で刺殺された事件については、故人を偲ぶ報道とともに、刺殺した無職の松本英光容疑者についても注目が集まっている。
松本容疑者は、九州大学文学部でイスラム文明を学んだ後、バイト先だった福岡県のラーメン店で正社員として、約3年前まで働いていたという。そんな松本容疑者の別の顔が「低能先生」だ。
松本容疑者は、2016年ごろから、はてなブックマークなどの他ユーザーに「低能」という言葉を使って誹謗中傷を行っていた、いわゆる荒らし、嫌がらせ投稿者だった。そのため、過去100回以上もアカウントを凍結されては、新規IDで復活し活動をすることを繰り返してきた。
そんな松本容疑者のことを、一部のネットユーザーが「低能先生」と呼んでいたのだ。つまり、周囲が松本容疑者を「低能」扱いしたわけでなく、他人を「低能」呼ばわりしまくっていたのは松本容疑者のほうだ。
報道を見聞きして、松本容疑者が低能先生呼ばわりされたことや、ネット上のバトルに恨みを募らせ、犯行に至ったと思っている人もいるだろう。たしかに、松本容疑者は岡本氏を恨んでいたかもしれないが、それは低能先生と呼ばれたからでも、岡本氏とバトルしたからでもないようだ。
以下、はてなブックマーク上の記録やユーザーの見立てをもとに、経緯を探ってみた。
岡本氏ことHagexのブログ「Hagex-day.info」の5月2日のエントリーを読むと、低能先生から被害を受け、はてなに通報していたことがわかる。
ただこれを見る限り、一方的に低能先生がHagexに低能コール(荒らし)を仕掛けていただけで、報道から想像するような松本容疑者vs Hagexのようなバトルは見られない。ただ、低能先生からコールが来る度に、はてなに通報を行っていただけだ。
前述のエントリーでは、Hagexが通報してから3分後に低能先生のアカウントが凍結されたという。これまで低能先生は、アカウントを作っては凍結されることを繰り返しているが、2018年の1月から5月だけで100以上のアカウントを作っている(つまり凍結されている)。
これは何を意味するのか?
おそらく、新規アカウントを作ってもすぐに通報され凍結されるようになったため、低能先生は発言すらできなくなっていたのかもしれない。その証拠に、年々、低能先生の捨てアカウントは増えていた。
「低能先生と呼ばれて」キレた、という報道は違う
低能先生vs Hagex氏の直接的なバトルはなかった
ネット上のバトルが原因でなく、バトルの場がなくなったことに逆上
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