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東京都が推進する時差biz、「俺には意味ねぇ」の声も

 7月9日から約1か月間、東京都が昨年に続き推進を開始した時差Bizという取り組み。通勤ラッシュを回避をするために通勤時間をずらす――小池百合子都知事の「満員電車をなくす」という公約に端を発した取り組みで、東京都都市整備局によると、PRなどにかかった今年度の関連予算は9000万円という。  東京都のホームページを覗くと、「朝5時に起きて、早く出勤するのが私のスタイルです」「テレワークで、アウトプットのクオリティが上がりました」等、いわゆるワークライフバランス賛成!的なコピーの数々が並ぶ。きれいごとの好きな小池都知事らしい施策といえるが、確かに都内の朝の満員電車の辛さは筆舌に尽くしがたい。  時差bizに参加する会社の数は大企業を中心に800社程度だが、鉄道各社も臨時便を出すなど混雑の緩和には一役買っている。何より、時差Bizに参加する企業が増えれば、時差Bizに参加してない人でも波及効果を得ることができる。都が実施したアンケート結果を見ても、6割以上が混雑が和らいだことを実感しているという。

否定的な意見も

 東京都のホームページを見てもわかるとおり、大半が出社時刻を前倒しにしている。そのせいか、時差Bizに参加する個々の意見を見ると、否定的な意見も多い。 「通勤ラッシュが少しでもラクになれば大歓迎。だけど、なんで1か月だけなの? 五輪に向けたアピールにしか感じない」(38歳・男性) 「朝早く出社しても、昼食時間はいつもと同じでお腹が空いてしょうがない。どうせならお昼休みも時差にしてほしい」(48歳・女性) 「昨年参加。アパレルの販売なので、早く出社することも遅く出社することもできない。だからウチでは管理部門だけが取り組んでたけど、彼らに早く帰られて、商品管理の処理が滞って、販売の残業が増えたことがあった」(29歳・男性) 「朝6時に出社してデスクワークは15時に終わる。それはいい。ただ、取引先との会食が19時とか20時スタートだから、それまで漫画喫茶で時間つぶしたりして、『つくづく意味ねえなぁ』と思った」(42歳・男性)  テレワークやフレックスも啓蒙していることから、時差Bizは働き方改革の一貫だ。そのため、結局は職場の理解や会社の風土によって賛否がわかれるわけで、小池都知事が環境省時代に推し進めたクールビズと同じ、横並びで解決される問題ではない。出勤時間を変えることで、個々の働き方に齟齬が生じることのないよう、細かい調節は必要となってくることは間違いない〈取材・文/日刊SPA!取材班〉
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