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「出勤中、熱中症になった」夏の満員電車は危険がいっぱい

 心身ともに不調が表れる夏バテ。涼しくなるまでの辛抱……と我慢してしまいがちだが、放置したがため、命に関わる大病を患うこともある。そんな“キラー夏バテ”のメカニズムとは!?

乗客数や駅の距離で気温が上下。夏場の電車内は体調管理が困難

猛暑の満員電車 毎日、長時間をすごす通勤電車。夏になれば外は灼熱地獄、車内はガンガンにエアコンが効いているかと思えば、満員ラッシュの人いきれ。「出勤中、熱中症になった」と語るのは宮本幸夫さん(仮名・39歳・食品メーカー)だ。 「駅まで15分ほど歩いているのですが、着く頃には汗だく。車内の冷房でワイシャツは冷えきっているのに人混みで体は熱く、降りた瞬間ホームに吐いてしまいました」  ある大手鉄道会社の現役駅員も「特に夏場はめまいや頭痛、下痢などの体調不良を訴えるお客様が多くなる」と打ち明ける。  では、そんな状況に対して、鉄道会社はどのように車内温度を調整しているのだろうか? 鉄道ライターの境正雄氏はこう解説する。 「多くの鉄道会社では夏場の冷房温度を26℃に設定しています。弱冷房車は28℃。ただ、都心の列車は頻繁に駅に停車してドアの開閉があるので、実際の温度はもっと高くなるでしょう。ラッシュ時は乗降にも時間がかかるので熱風が一気に車内に流れ込んでくることもあります。逆に駅間距離が長ければ車内が冷やされて寒くなることも。車掌もこまめに車内温度を調整して気を配ってはいるようですが、環境が一定していない電車の中ではどうしても限界があるでしょうね」  気温が乱高下すれば、自律神経の働きにも悪影響が及びそう……。
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災害で車内にすし詰めになったら…
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