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「昭和のおっさんvs平成のおっさん」会社に必要なのはどっち?

今上天皇の退位で、来年には幕を下ろす予定の平成。そんな平成とはいったいどんな時代だったのだろうか……と振り返りたいところだが、最近はなぜか「昭和かよ!」と言いたくなるような騒動や事件が続出している。そこで、さまざまな分野の昭和・平成の状況を比較。それぞれの時代の良しあしを確認して勝敗をつけながら、新時代に何を残すべきかを考えていく。 オッサン

昭和のおっさんvs平成のおっさん

「さよなら、おっさん。」――。6月26日、センセーショナルなキャッチコピーが日経新聞に掲載された。ニュースアプリ「NewsPicks」の広告だが、この“煽り”とも取れるコピーはネットを中心に話題を呼び、「おっさんに失礼」と炎上する事態に及んだ。確かに、働き盛りで社会を支えるおっさんには承服し難い気もするが……。 「そもそも問題なのは、主に40~50代の“平成のおっさん”が、自分がおっさんであることに無自覚なことだと思いますよ」  こう指摘するのは、労働社会学者の常見陽平氏。冒頭のコピーは「おっさん的な価値観が支配していた昭和からの脱却」を意味しているといえるが、常見氏は平成のおっさんと昭和のおっさん、どちらに分があると見ているのか。
NewsPicks

幻冬舎と共同で創刊されたビジネス誌『NewsPicksMagazine』。いわゆる“意識高い系” ※画像はAmazonより

「平成のおっさんは、“脱”昭和のおっさんを意識してきた。よく言えば新世代の感覚ということかもしれませんが、裏を返せば若者にすり寄っているだけ。おっさんの役割を放棄しているのと同じです」  と、いきなり手厳しい指摘だ。バブル全盛時代に40~50代を過ごした昭和のおっさんといえば終身雇用制度にガッチリ守られて、チームワークを何より重視。サービス残業も当たり前でアナログ&精神論にしがみつきという前時代的なイメージが強い。  それに対して、会社人間からの“精神的な離脱”を目指してきたのが平成のおっさんだ。 「平成のおっさんは価値観が変化する時代を過ごしてきました。終身雇用に守られていた昭和のおっさんと比べ、失敗が許されません。また、社会の多様化もあり仕事の考え方も変わってきた。いわば、平成のおっさんはバブル世代とゆとり世代の“懸け橋”になれる。ただし、実際には若い世代の考え方に迎合して“自分はおっさんじゃない”と言い聞かせているだけなのが現状でしょうけどね」
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昭和と平成のおっさんの間には大きな価値観の溝がある
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