愛する地元が盛り上がり、よその人にとってもジモトになれば
音楽イベントで街を盛り上げる
愛する地元が盛り上がり、よその人にとってもジモトになれば
<谷原正志さん(31歳・鍼灸師)>
ここまで、今、住む街を”ジモト化”してきた人たちを紹介してきたが、生まれ育った、文字通りの”地元”を盛り上げようとがんばっている人たちもいる。”湘南の玄関”とも呼ばれる神奈川県大船で鍼灸師をしている谷原正志さんを中心としたグループ「Jump Around Crew」だ。仲間たちが集まるためにみんなで作った「BAR渋家」で話を聞いた。
「僕ら学生の頃から毎日、湘南の海や山で遊んでたんだけど、年を重ねるにつれ、大船を離れる人も増えて遊び仲間も減っていった。だから仲間たちが集まれるきっかけが欲しくて、7年前から地元イベントを始めたんです」
最初は、音楽イベントを中心に、近場の中学の仲間たちでお金や時間を出し合って始まったものだったが、回数を重ねていくなかで、地元で美容院を経営する先輩や古くからある居酒屋の店主が街のために活動しているのもわかり、「世代を超え、人の繋がりが点から線に、面になっていった」という。そして今や湘南発のアーティストを招いた野外フェスから、他県やスイスの街とのコラボイベントを開催するまでに規模は拡大。
「俺たちネットの検索っていらないんですよ。仲間だけでなんでもできる。何か思いついたらメールや電話じゃ気持ちも興奮も伝わらない。『会って話そうぜって!』ってなるんです」と楽しそうに語る。
「実は、昔は『地元どこ?』って聞かれて、大船って言うのが恥ずかしくて。見え張って『鎌倉』って言ったりしていたこともある(笑)。でも、大船から出て遊ぶより大船をいい町にしたほうがいいって気づいて。そしてよそから人が来て、ここを地元だと言ってくれたら嬉しいじゃないですか。よく『地元がない』って言う人がいるけど、絶対にそんなことはなくて、自分が根を生やしたらそこが”ジモト”になるんですよ」。
― 住んでる街の[ジモト化](近所の仲間づくり)計画【7】 ―
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