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『テトリス』99人バトルロイヤル版を放った任天堂。その可能性と未来

ゲームコラムニスト・卯月鮎の絶対夢中★ゲーム&アプリ週報

ゲームコラムニスト・卯月鮎

卯月鮎

『テトリス99』 Nintendo Switch/任天堂/無料(「Nintendo Switch Online」加入者限定)/配信中  Nintendo Switchの有料サービス「Nintendo Switch Online」の加入数が、2月1日の第三四半期決算説明会で公表されました。昨年9月にスタートし、加入数は800万アカウント超え。ハードの全世界累計セルスルー3000万台に対して、800万という数字が大成功か否かは判断が難しいところですが、少なくとも単純計算で1か月300円×800万アカウント=24億円という安定収入が得られるのは非常に大きいと言えます。  ちなみに、ソニーの第三四半期決算資料によると、PS4の同種のサービス「プレイステーション プラス」の有料会員数は3630万人。2018年末のハード実売台数は9160万台なので、シンプルに計算すると約4割の加入率となります。任天堂としては、PS4と比べてもう少し加入者(率)を増やしたいというのが本音でしょうか。 「Nintendo Switch Online」に関して、「サービス内容の拡充にこれからも取り組む」と2月1日の決算説明会で表明していた任天堂。その一端とも言えるのが、2月14日に配信が始まったバトルロイヤル形式の『テトリス99』です。これまではファミコンが無料で遊べる「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」が特典の目玉でしたが、それとは別に新しいゲームが配信された形です。

『テトリス99』

『テトリス99』は、「Nintendo Switch Online」の加入者なら無料で遊べるダウンロードタイトル。オンライン上で99人が一斉に『テトリス』をプレイし、ゲームオーバーにならず最後まで生き残った1人が勝者となります。直接戦うバトルロイヤルゲームとは趣が異なり、“ソロ型バトルロイヤル”といった感覚でしょうか。

2月14日に「Nintendo Switch Online」の特典として配信された『テトリス99』

 ただ、ソロプレイがベースなものの、ラインを消したときに相手の盤面に邪魔なブロックを送れるという攻撃システムが導入されています。ブロックが積み上がっているプレイヤーを狙う「とどめうち」や、自分を狙っている相手に攻撃を仕掛ける「カウンター」など、状況に応じてうまく作戦を切り替えるのが上位に食い込むコツ。まあ、そうは言っても周囲を見渡している余裕はないのですが……。
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ソロ型バトルロイヤル形式は、さらなる発展を見せるか?
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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