女性客をめぐるホスト同士のトラブル 「新入りをボコボコに」して人生棒にふった男
ホストをめぐるトラブルで、愛知県の山中で職業不詳の女性(31歳)が2月24日に遺体で見つかった事件。夜の街での女性客同士のいざこざは、記者が歌舞伎町で働いていた頃から度々耳にしていたが、中には「女性客をめぐるホスト同士のトラブル」というのもある。
ある女性客をきっかけにして起こった事件で「人生を棒に振ってしまった」と語る男性がいる。元ホストの辻原亮介さん(仮名・32歳)だ。
「20歳の時に地元の長野県から上京しました。特に目的もなく東京に出てきたので、毎日日払いのバイトをしながらフラフラしていた時に、歌舞伎町のホストクラブにスカウトされたんです。高校を卒業してから地元のボーイズバーでバイトしていた経験もあったので、ホストもできるんじゃないかと軽い気持ちで入店しました。当時はホストがメディアに出まくっていた頃なので、今よりも客入りが良く入店してすぐにお客さんができました」
ホストとして働いているときは楽しかったと語る辻原さん。初めのころは特に目立ったトラブルもなかったという。
「お客さんで痛い人もいなかったし、ホスト同士も仲良くやってたんです。そんな時に、新人が入店したんです。そいつの名はヒカル(仮名)といって、元々池袋のホストクラブにいたのですが、店長の後輩ということで引き抜かれてウチに来たんです。
当時の歌舞伎町のホストはメディアの影響もあり、無理な煽りやオラオラ営業は派手にしていなかったんです。でもヒカルは池袋にいたせいか、ヘルプで付いた僕の客に対し、勝手にシャンパンを煽ったりとかなりオラオラ。僕も何度か注意したんですが、店長になだめられてあまりキツく言えませんでした。それでヒカルはますます図に乗っていったんです」
そして、ついに事件は起こってしまう。
「僕の太客でリカという子がいたんですが、店が休みの日にたまたま歌舞伎町でヒカルと会ったそうで。ヒカルはかなりベロベロに酔っていて、無理矢理リカを誘って他店のホストクラブに飲みに行ったらしいんです。その店のナンバー1はヒカルと仲の良い奴だったらしいんですが、そいつに対して『リカに営業かけていいですよ』みたいなことを言ったそうなんですよね。それからしばらくして、リカはがっつりハマってしまい、ウチの店には来なくなりました。
僕のその月の売り上げは散々で、さらに最悪なことにヒカルにナンバーを追い抜かれる始末……。後にリカからその話を聞き、さすがに他店に客を紹介するのはルール違反だと店長に言ったんです。しかし、店長に『ヒカルも悪いけれど、しっかりリカを捕まえていなかったお前も悪い』と言われて……。僕もキレてしまい、営業中にもかかわらず、気づいたら外にヒカルを連れ出してボコボコにしていました」
転落人生。きっかけはホスト同士のトラブルだった
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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