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10〜20万円ですむ激安葬儀。一般の葬儀より安すぎるワケは?

 各TV番組や週刊誌が絶賛する“激安葬儀”。一般的な葬儀は約196万円かかるともいわれる費用が10万円~20万円の激安でできるという。そこには10倍ほどの金額差があるのだ。なぜ安くできるのか調査した。 葬儀

その差は10倍以上!? 葬式格差が拡大中のワケとは?

 TVや週刊誌など各メディアで激安な葬儀が話題になっている。価格破壊の波が葬儀業界まで及び、葬式格差が拡大していることについて、宗教学者の島田裕巳氏は次のように分析する。 「ここ10年で戦後に田舎から都会へ出てきた世代が亡くなり、葬儀業界の競争が激化しました。田舎は従来どおりでも都会は地域社会や檀家関係のしがらみがない人が多いため、一般的な葬儀内容を省略したようなサービスを選択できるようになったのです」  いわゆる“激安葬儀”とは、葬儀の種類で言うと、「直葬」や「家族葬」と呼ばれるものに当たる。 「世間ではあまり知られていませんでしたが、葬儀業者が宣伝して徐々に広がっていきました」 激安葬儀 一般的な葬式と比べると、10倍ほどの金額差があるとのことだが、どのような特徴があるのだろうか。 「家族葬とは、参列者を呼ばずに少ない人数で行われる葬儀。直葬とは、火葬場に直行して通夜や告別式を行わない葬儀のことです。葬儀において必ず行わなくてはならない“火葬”以外をいかにコストカットしていくかという世界になってきています」  激安葬儀が急増中のワケとは? 「平均寿命が延びて亡くなる人が高齢化したことも関係しています。75歳以上で亡くなれば故人と近しい年齢の人もほぼ亡くなっていたり、生きていても体調により葬式に参列できなくなったりする人がほとんどのため、必然的にこぢんまりとした葬儀になるのです。また、長い間高齢者を抱えてきた家庭は医療や介護の費用がかかり、経済的に余裕がないことも多いのであまりお金をかけられません」
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葬儀業界側の事情も
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