ソウル発「反日デモ」に密着。若者たちが絶叫するNO安倍の真意とは?
韓国人元徴用工問題を契機にした日本政府のホワイト国除外を受け、日韓関係は過去最悪の状態となった。今、韓国では何が起きているのか。デモや集会がもっとも活発化した8月のソウル市内を緊急取材!
反日デモや日本製品不買運動の様子が毎日のように伝えられているが日韓両国は以前のような友好関係に戻れるのか、はたまた破綻の道を突き進むのか。日韓の未来を探るため、記者は韓国へ向かった!
現地取材を行った8月は韓国にとって日本の統治からの解放を祝う「光復節」を迎える記念月。例年、歴史問題の清算を求める大規模集会やデモが行われるが、今年は日本への批判が一層トーン・アップしていた。
10日の昼すぎ、ソウル市鍾路(チョンノ)区にある日本大使館前では、若者たちが中心となった集会が行われていた。主催団体は「21世紀青少年共同体 希望」という名前で、ネット上で安倍晋三首相を糾弾する内容の署名を募り、日本大使館に手渡すという。
署名には「経済報復の撤回」や「慰安婦被害者への謝罪」という要求が含まれているというが、集会に参加していた女子高校生からはこう返ってきた。
「日本が歴史的に謝罪してこなかったことが腹立たしい。まだ慰安婦被害者に対して心からの謝罪をしていないのに、経済的な報復まで行うなんて。とても恥知らずな行動だと思う」
一方、19時からは同じ日本大使館前で「キャンドル集会」が開催された。キャンドル集会は韓国の民主化を象徴する形態で、過去に朴槿恵前大統領を退陣に追い込むなど、市民が重要な政治問題に批判を向ける際によく用いる手法だ。
彼らの主張に耳を傾けていると、あることに気づかされる。「NO JAPAN」ではなく、「NO安倍」が強く主張されていた点だ。主催者側は、日本社会や日本人との関係は悪化させてはならないと口を酸っぱくして説明。むしろ日本の“善良”な市民組織と連帯し、安倍政権に対してプレッシャーをかけようと主張していた。
イベントの途中、主催者と行動をともにする日本人弁護士も登場。日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の廃棄や「安倍政権の軍国主義」をやめさせようという主張が続いた。この日は30℃を超える猛暑だったが、ゆうに1000人を超える人々がいた。参加していた20代の男性はこう話す。
「日本のマスコミは韓国こそ対立の原因をつくっていると報じていますが、それ自体が事実ではなく誤り。そんな報道を目にするのが心苦しくて、キャンドル集会に参加しました。ホワイト国からの除外は、日本が一方的に行ったこと。韓国が間違っているというのはとんでもない話です」
日本大使館の前で若者たちが絶叫するNO安倍の真意とは
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