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六代目山口組No.2が「あいつだけは許さない」と嫌う神戸の重鎮

写真中央が六代目山口組N0.2の高山清司氏(高は、ただしくは「はしごだか」)。

 辣腕は健在だった。日本最大の暴力団・六代目山口組で若頭というNo.2の要職に就く高山清司氏(高は正確にははしごだか)である。  恐喝罪で14年に服役した高山氏は、今年10月に満期出所。社会不在となった期間は約5年ほどだが、ブランクを感じさせることなく人事改革を矢継ぎ早に実行。組織運営の舵取りを精力的に行っている。 「六代目山口組では直系組長を2名、新しく取り立てることになったのですが、2人とも神戸山口組から移籍してきた三次団体の組長。いわば“外様”ですが、実力や組織への貢献が買われ、抜擢されたようです。この人事は『本家に戻っても冷や飯を食うだけ』と諦めていた神戸山口組の若い世代へ格好のアピールになります。逆に、若い組員に支えられている神戸の重鎮たちは動揺しているのでは」(実話誌記者)  知略家として知られる高山氏は、厳格な組織運営をすることで有名だ。 「嘘やおためごかしが一切通用しない。すべて見透かされたような感覚に陥ってしまう。ヤクザにはいろんなタイプがいますが、高山のカシラみたいな人は見たことありません」  とは六代目山口組のある直参組長の弁だが、神戸山口組が結成されたのも高山氏が服役中の出来事だった。神戸側から見れば高山氏はもっとも避けたかった相手なのだ。

「司派vs高山派」対立構造の大嘘

 高山氏の現場復帰は、分裂抗争にどのような影響を与えるのだろか。こうしたテーマで書かれる新聞やネットニュースの記事は多い。だが、「明らかな事実誤認や情報源のポジショントークにまみれてたニュースがあまりに多い」と嘆くのは、六代目山口組系二次団体幹部のX氏。最近では、11月6日に現代ビジネスから配信された記事がひどかったという。 「出所の際、品川駅で高山若頭のボディーガードが出迎えにきた弘道会の幹部を怒鳴ったとか、神戸山口組に対して強硬な姿勢をとる高山若頭に司組長が『付き合いきれん』と漏らしたとか。中枢幹部に至っては、『戦争ごっこをするなら(ヤクザを)やめる』と祝いの席で明言した、とまで書かれていました。これを読んだ人は『高山若頭が強硬姿勢を貫き、司組長も匙を投げている』と思うかもしれませんが、全然違います。  真相を言うと、品川駅で怒鳴られたのは弘道会の幹部ではなく本家の最高幹部の1人でした。それも、高山若頭一流のジョークです。ヤクザの世界で高山若頭が非情だとか規律が厳しいと言われるのは、私情より組織を優先するからです。組に貢献してる者、きちんと汗をかいている者には愛情をもって接してくれます。品川駅で怒られた最高幹部も嬉しそうでしたよ。  名古屋で会った司組長も終始ニコニコで、現代ビジネスに書かれた内容とは全然違いました。この記事を書いたジャーナリストは主に警察から聞いた話をまとめた、としているけど、なぜここまで現実とかけ離れるのか。理解に苦しみます。私には神戸山口組側の人間が撹乱する目的で流した情報にしか見えない。分裂直後から奴らがさんざんやってきた手口です。 『司派vs高山派』と対立構造を強調するのも、神戸の人間が好んで使う設定です。『高山若頭が一番の司派』であることを知らないのか。メディアの皆さんも、ちょっとでも取材してればわかることなんですが……」
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「あのハゲだけは絶対に許さん」
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