ロックバンド「すかんち」の軌跡を振り返る…死去したドクター田中さんに合掌
10月29日、ミュージシャンのROLLY(寺西一雄)が、Twitterにて「大切な仲間が又別次元に旅立った」ことを明らかにした。ROLLYとともにロックバンド「すかんち」の一員だった、キーボーディストのドクター田中(田中尚人)さんが57歳で亡くなったのだ。
ギター&ボーカルのROLLYと、ドラムの小畑ポンプ(小畑隆彦)が中心人物となり、3人で結成されたすかんち。まずはこのバンド名の意味が気になる人も多いだろうが、これはなんと“ちん○す”を反対に読んだものなのだという。まだバンド名が決まっていなかった頃、リハーサルスタジオにいた女性スタッフに「“ちん◯すトリオ”でいいじゃん」と提案されたが、さすがにそのまま採用というわけにはいかなかったようだ。
ROLLYいわく、このバンド名のせいで損したという実感があるそうで、後年のぴあ関西版のインタビューでは「“デッドリンガー”とか“ストームブリンガー”みたいな名前にしとけばよかったなぁ~」と語っている。
そんなすかんちは1988年12月、CBS・ソニーオーディションにTHE BOOMらと一緒に合格し、1990年5月発売のシングル『恋のT.K.O.』で見事メジャーデビューを果たした。当時のメンバーラインナップはROLLY、小畑、ベースのShima-chang(武内志磨)、ドクター田中さんだ。
先述したぴあ関西版のインタビューにて、ROLLYはすかんちを“ディズニー風のオペラミュージカルロック”と呼んでいる。また、音楽サイトReal Soundのインタビューではその音楽性を「B級グラムロック、プラス、そこにLed ZeppelinとQUEEN」とも表現しており、さらにはアイドル歌謡のエッセンスをも加えることで、すかんちは洋楽の単なるパロディには終始しないオリジナリティを獲得していた。
華美なメイクや衣装でステージに立っていたこともあり、イロモノ扱いされることも珍しくなかったすかんちだが、その楽曲センスや演奏力はホンモノ。シングルの『恋のマジックポーション』(1991年)と『恋のミラクルサマー』(1992年)は、バラエティ番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)のテーマ曲に起用され、すかんちは音楽ファンのみならず、お茶の間の支持をも集めていくことになる。
その強烈なキャラクターを武器に、現在ではタレントとしてバラエティ番組や舞台への出演も目立つROLLY。ドクター田中さんは、そんなROLLYにさえ「無くてはならぬトリックスターで、心から愛すべき奇妙な人でした」と言わしめているが、もしかすると若い世代には、そもそもすかんちというバンドの存在自体がピンときていないかもしれない。すかんちの結成は1982年までさかのぼるし、近年はコンスタントに活動していたわけでもなかったので、無理はないだろう。 そこで今回は、すかんちの軌跡にスポットを当ててみたい。すかんちとはいったい、どんなバンドだったのだろうか?大切な仲間が又別次元に旅立った。「すかんち」にとってドクター田中は無くてはならぬトリックスターで、心から愛すべき奇妙な人でした。彼と演奏する事の出来ない寂しさを未だ受け入れがたいですが、独特な美意識でドラマチックに人生を生き抜いた彼は永遠に皆の中で怪しい光を放ち続けるのです。合掌 https://t.co/Qf7zZdWiVj
— ROLLY(寺西一雄)本人 (@RollyBocchan) October 29, 2019
すかんちというバンド名を反対に読むと…?
すかんちの音楽ジャンルは“ディズニー風のオペラミュージカルロック”?
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