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年内に急げ、ふるさと納税。スマホで12分間でできた初心者ガイド

 10月からの消費増税で、日本経済が大きく動いた2019年。家計やお財布の冷えを感じている人も少なくないはずだ。とはいえ、いきなり株や投資信託で財テクを試みるのは難しいもの……。  まずは、“知っているけど、めんどうで敬遠しがち”な「ふるさと納税」デビューをきっかけに、新しい年を豊かに迎えるための工夫を始めてみてはどうだろうか。 ふるさと納税

自己負担2000円でカニやイクラや和牛が…

 2008年の導入以来、少しずつ人気と知名度を伸ばしていった「ふるさと納税」。総務省の発表によれば、2019年度は受入額5127億円と、前年度の3653億円を大きく上回る納税額に着地した(※)。制度の魅力は所得税還付や住民税軽減といった税控除を受けられること。自身の上限寄附額内であれば、自己負担2000円で各自治体の返戻品を受け取れるのだ。  2019年6月には長年物議を醸していた返戻品に関する問題を解決すべく、新制度が導入された。この新たに決められたルールによって「ふるさと納税はもうお得ではないのでは?」と感じている人もいるが、制度の変更点は ①返戻品は寄附額の1/3まで、かつ地場産品に限定 ②税控除を受けるには寄附先が総務省の指定を受けていることの2点。  過度な返戻品が認められなくなったことは事実だが、私たちにとってお得であるのは間違いなく、十分利用する価値のある制度だと言える。

今年分は12月中に。手続きは12分でできた!

 ふるさと納税を始めていない人のなかには、「面倒な手続きが必要になりそう」とマイナスイメージを抱いている人も少なくない。そこで、今回はふるさと納税ポータルサイトを使った寄附方法を手続き中の写真付きで解説。ふるさと納税未経験者は、ガイドのような感覚でぜひ読み進めてほしい。 さとふるトップ ふるさと納税ポータルサイトには「さとふる」「ふるなび」「ふるさとチョイス」などいくつかあるが、今回はTVCMもやってる「さとふる」で試してみた。

1)年収を入力して「寄附額の上限」をチェック

 ふるさと納税を始める際は、最初に自分の「寄附額の上限」を確認しなければならない。ポータルサイトで提供されている計算式に家族構成と年収(手取りでなく額面年収)を入力すると、予想される寄附上限額が表示される。 さとふる画面 たとえば、給与額面500万円、共働き子ども1人であれば、寄付上限額42000円予想となる。簡単シュミレーションで目安がわかればOKだ(源泉徴収票を見ながら正確に計算することもできるが)。  確認すべきなのは、今年収入に大きな変化があったとき。転職や休職などにより、本年度分の年収が少なくなった場合には入力する年収額に気を付けなければならない。  また、今年度の年収によって来年度非課税世帯に認定される場合は、ふるさと納税による税還付は受けられないので注意しよう。

2)寄付先の自治体や、欲しい商品を選ぶ

 寄附額が分かれば、その額以内で、寄附先の自治体や商品を選ぼう。 さとふる画面2 スマホ画面をタップするだけで商品を選んでカートに入れられるので、ネットショッピングをしているような感覚でサクサクと検索できる。 さとふる画面3 12月の駆け込み納税時の返戻品選びのポイントは、生鮮食品のまとめ注文を避けること。各自治体ならではの新鮮なお肉や魚介はとても魅力的だが、この時期は各自治体が同じタイミングで返戻品を送ることも多いため、自宅の冷蔵庫内がパンク状態に……。  生鮮食品を選びたい場合には、返戻品が複数回に分かれて届く「定期便」がおすすめ。一気に届くのを防ぐだけでなく、配送時期ならではの貴重な食材が届くこともメリットのひとつである。

3)自分が寄附したお金の使いみちを選ぶ

 寄附先の自治体と商品を選んだあとは、寄附金の使いみちを選択する。95%を超える自治体で寄附金の使いみちを指定できるので、子育て・福祉・産業振興などから自身が役立ててほしいと思う分野を選ぼう。

4)支払い方法などを選んで完了

 最後に、寄附者の情報や支払い方法を選択して手続きは完了。
さとふる画面4

確定申告を行う場合には、ワンストップ特例制度の申請は不要

 会社員として勤めている場合は、ワンストップ特例制度(寄附先が5自治体まで)を「希望する」を忘れずチェックしよう。確定申告を行わずに税還付を受けられるワンストップ特例は、ふるさと納税の手続きをより簡単にする便利な制度だ。後日自治体からワンストップ特例制度申請書が郵送されるので、氏名・住所・マイナンバーを入力のうえ、1月10日までに捺印して返送すればいい。  なお、寄附先が6自治体ある場合や自営業者などは、確定申告での控除手続きが必要となる。ワンストップ特例制度を「希望しない」を選ぼう。

12月中~下旬なら「ネット申請+クレカ決済」を選ぶべき

 ふるさと納税の受け入れ期間は該当月の1月1日~12月末まで。しかし、12月下旬になってしまうと決済方法や書面の返送有無によっては今年分の申し込みとして受理されない可能性もあるので要注意。  12月中旬~下旬にかけてふるさと納税を行う場合には、ギリギリまで間に合い、すぐに決済される「ネット申請+クレジットカード決済」を選ぶのが賢明だ。

実際にやってみると、申請までたったの12分!

 今回、「さとふる」アクセスから申し込み完了までの時間を計ったところ、トータル時間はたったの12分間。もちろん返戻品を選ぶ時間は人によって多少の差があるが、手続き自体は予想以上に簡単であっという間に完結した。  この少しの時間で来年度の税還付を受けられること、そして応援したい自治体からお得な返戻品を受け取れることを考えると、やはり利用しない手はない。  通勤電車の中や会社の昼休みなどのスキマ時間を利用して、2019年からふるさと納税にチャレンジしてみてほしい。  ※ふるさと納税の受入額及び受入件数(全国計)/「ふるさと納税に関する現況調査結果」令和元年度実施より <文/山本杏奈>
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