新型コロナ「昨年11月に米中の首脳は知っていた」との報道に衝撃
時々刻々と情勢が変化する、新型コロナウイルスの感染拡大。ピークを迎えつつあるとも言われるが、各国の感染者数と死者数は増加の一途をたどっている。
そんななか、アメリカのABCニュースが4月9日、衝撃の一報を報じた。軍医学情報所(NCMI)の関係者からの情報提供として、なんと、トランプ大統領が昨年11月後半の時点で、武漢で謎の肺炎が流行しているとの報告を受けていたというのだ。CNN Politics4月9日配信の記事に詳細が記されている。
ABCによると、NCMIのレポートには、「分析官たちは、一大事になり得る、と結論づけた」との一文もあったという。その後、国防情報局(DIA)、統合参謀本部、そしてホワイトハウスに対して、同様のブリーフィングが複数回行われたとされる。
ところが、その後。事態は急展開をみせる。NCMIが「そのようなレポートは存在しない」と、報道を否定するコメントを発表したのだ。NCMIのデイ長官は、「現在の公衆衛生上の危機に際して、情報の透明性を担保する観点からも、2019年の11月にNCMIがコロナウイルスに関する何らかの評価を行ったとの報道は正確ではないと承知している」と述べた。
このように、NCMIが火消しに追われるのにはワケがある。それは、3月19日の会見で、トランプ大統領が「こんなに大規模の疫病が起ころうことなど、誰も知り得なかった」と語ってしまったからだ。
しかし、ワシントンポスト3月20日配信の記事によると、大統領のみならず議会までもが、情報機関からのコロナウイルスに関する警告を無視していたというから驚きだ。さらに、国家通商会議のトップ、ピーター・ナヴァロ(『米中戦わば』文藝春秋刊の著者)からも、「全てを吹き飛ばす」(full-blown pandemic)ウイルスの脅威を、内々に知らされていたそうだ。
仮に、これらの報道が事実だとすれば、トランプ大統領にはコロナウイルスに対処するための時間的猶予が少なからずあったことになる。事態への対応と同時進行で中国やWHOへの批判を繰り返すあたり、その可能性は低くないと見るのが自然かもしれない。
米情報機関が11月に警告していた? ABCが報道
情報機関は「そんなレポートは存在しない」
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