縦型vsドラム式「洗濯機の選びかた」の新常識をプロが解説
お馴染みの縦型洗濯機と2000年代頃から普及し始めたドラム式洗濯機。洗濯乾燥機を新調する場合、どちらかを選ぶことになる。総合家電エンジニアとしてさまざまなメディアで活躍する本多宏行氏によると、「それぞれ一長一短があるので慎重に検討する必要がある」という。本多氏に失敗しない洗濯乾燥機選びのポイントや、長く使うためのコツを聞いた。
縦型洗濯機の最大の利点は、コストパフォーマンスのよさにある。
「ドラム式洗濯機と比較すると、明らかに安価でサイズ面でも優位です。ただし、乾燥機能はドラム式洗濯機よりも劣るので、洗濯物は外干しが基本になるかもしれません」
一方、乾燥機を使うならヒートポンプ乾燥機能の付いたドラム式洗濯機に軍配が上がる。ヒートポンプ乾燥は低温風でスピーディに衣類を乾燥できるので、従来のヒーター乾燥と比べて衣類の傷みや縮みを抑えやすいという。
「洗濯物を外へ干したくないのであれば、ヒートポンプ乾燥つきの洗濯機がおすすめですが、ドラム式洗濯機は価格帯が総じて高めです。また、ドラム式洗濯機はサイズが大きいイメージをお持ちかもしれませんが、マンション向けのスモールタイプも増えていますので、ピッタリのサイズを見つけることができるかもしれません」
ただし、マンションタイプのドラム式洗濯機が増えているとはいえ、設置場所の事前確認は不可欠。洗濯乾燥機のタイプを問わず、防水パンが据えられている場合は、洗濯機の脚を防水パン内に納めることができるか事前に確認しておく必要がある。
「特にドラム式洗濯機でサイズが大きめの場合は、防止パン内に納まらない可能性もあります。購入する前に、家電商品販売店に足を運んで確認しておくと安心です」
どちらの洗濯乾燥機を購入するか決めたら、洗濯・脱水容量のチェックも忘れずに。一般的に、“一人分の一日の洗濯物は平均1.5Kg”だといわれているとのこと。
「ライフスタイルによって衣類の種類や汚れ方は異なります。そのため断定はできませんが、一人暮らしであれば、毎日洗濯するにしても“洗濯・脱水容量4Kg”の洗濯機で充分かもしれません。仮に週末にまとめて洗濯するという場合は、“1.5Kg×日数”で算出された数値を容量に換算してもよいと思います」
最新の洗濯乾燥機の中には、洗剤と柔軟剤の自動投入機能などを備えるAI機能やスマホとの連携機能が搭載された製品も存在する。特に前者は、「一度でも洗剤や柔軟剤の自動投入機能を使ってしまうと、手放せなくなるという意見も多く聞こえてきます」と本多氏が語るように人気が高いそうだ。
「自動投入機能は、洗剤や柔軟剤を投入する手間を省いてくれるだけではなく、正しい洗剤量を計測し、洗濯機が持っている洗浄性能を遺憾なく発揮できる便利な機能です」
スマホとの連携も、これまでの洗濯乾燥機の概念を覆す、驚きの機能だそう。
「スマホにインストールされた専用アプリと連携して、居住地域の気象情報と照合させながら適切な洗濯モードへ導いてくれるほか、外出先からスマホを経由して洗濯機の運転状況を確認できます」
スマホとの連携機能は自宅にWi-Fi環境も必要になるが、使いこなせば非常に便利。新調を機に積極的に検討したい。
コスパなら縦型、乾燥機能ならドラム式
「スマホと連携する洗濯機」も要注目。縦型・ドラム式どちらもある
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