コロナによるテレワークの導入に始まり、緊急事態宣言解除で出勤する生活に戻った人のなかには、生活リズムが乱れてしまったという人は少なくないはず。早寝早起きを目指していても、なかなか継続できないという悩みも珍しくない。
そこで今回は、3月に出版された『昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です』(小学館)の著者で、これまで500人以上を夜型人間から朝型人間に変えてきた井上皓史氏にインタビューした。朝型の生活を継続するコツを、本の内容と合わせて紹介する。(全4回 第4回)
(小学館)1540円
幹事を名乗り出て飲み会時間をコントロール
22時に寝るためには、飲み会は20時半ごろには切り上げたいところ。自分で幹事を名乗り出れば、スタート時間や終了時間をある程度自由に決められる上、自宅に近いエリアで開催することも可能になる。
「2時間コースを選んで、時間が来たら自動的に飲み会が終了するように決めておく。幹事を率先して引き受けると、周囲からは感謝されますし、自分の要求も通しやすくなります」(井上氏、以下同)
普段、飲み会の誘いを何回か断っていても、幹事役を務めることで先輩や上司からの評価も上がるだろう。
「何のために飲み会に行くのか? という飲み会の意義について考えて欲しいのです。人と知り合うことが目的なのだとしたら、一次会で内容の濃い話ができていれば、二次会に行く必要はありません」
画像/Adobe Stock(以下同)
二次会は帰宅時間が遅くなる上に、余計な出費もかさむ。どうしても行きたい場合以外は、スパッと断るのが賢明なのだ。
「私の場合は、4人以上の飲み会には参加しないなどマイルールを決めています。少人数の飲み会であれば、短時間でも内容のある充実した時間を過ごせます」
アルコールの量を「ジョッキ3杯まで」などと決めて、翌日に残らない程度にしたり、帰りの時間を想定しておくなど、飲み会でマイルールを決めておけば、後悔が少なくなる。
「職場での飲み会は、仕事の愚痴や社内の悪口噂話など、ネガティブな話を延々と続けている場面がよくあります。それよりも、ポジティブな話を語り合えるような飲み会を増やしていくほうが有意義です」
飲み会を断る場合には、「予定が入っているので」など、なるべくカドを立てないように言い方に気を付けることも重要だ。仮に他人との約束が入っていなくても、「早寝をする予定がある」のは事実なので、時には嘘も方便である。
早起きを続けられないときは“自分面談”
早寝早起きが三日坊主に終わってしまう場合は、早起きの目的をもう一度自問自答することが必要だ。
「何のために早起きをするのかという目的意識を、もう一度自分に問い直すのです。飲み会が続いている、二度寝してしまうなど理由はさまざまあると思いますが、自分で自分に面談することで、対策が見えてくるはずです」
毎日10キロ走るなど高すぎる目標を掲げると、失敗することが多い。少し頑張ればクリアできそうだという適度な目標設定が成功へのカギだ。
朝活コミュニティで励まし合う
ジョギングや読書、料理など早朝から活動しているサークルは意外とある。一人だけでは長続きが難しくても、同じ時間帯に集まる仲間がいると、モチベーションが高められる。
「自宅や職場とは違うサードプレイスが作れますし、良い意味での強制力も働きます。朝活という楽しみがあれば、早起きの意義も高まります」
井上氏は、東京・渋谷を拠点に早起きコミュニティ「朝渋」を主催。活動のメインはビジネス書などの著者を会場に呼び、本の内容について語ってもらうトークイベントだ。
「毎月4~6回、朝7時半からイベントを開催しています。朝のインプット習慣を通じて、新たな価値観に触れて欲しいです」
現在はコロナでこうした会合はストップしているものが多いが、コロナ収束後には、自宅や会社の近くで朝活イベントを探してみよう。
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井上皓史(いのうえ・こうじ)
早寝早起き芸人としても活動し、早起き村の村長“5時こーじ”としても知られている。本の著者をゲストに招き、東京・渋谷で読書会を行う早起きコミュニティ“朝渋”代表。幼少期から5時起きが習慣として身についている。