「カードダス」から本当にキャラクターが飛び出した!?
現実環境に情報を付加する「拡張現実(AR)」技術。その革新速度はめざましく、広告だけではなくゲームにも本格導入され始めている。ARでゲームがますます面白くなりそうだ
◆現実を多層化させるAR技術の可能性
カードゲームのアニメでは、カードを出すとカード属性の魔物や怪獣が現れる。ARはこれを現実にしてしまう。『ARカードダス』では、マーカー入りのカードをiPhone等の画面に映すと、カード上にキャラクターが立ち上がる。カードを回すとキャラクターも動き、指で触るとキャラクターがアクションを起こす。
ARでゲームの世界と現実を繋いでしまうと、自分の部屋や街が丸ごとゲームのステージに変わるのだ。ビルの間を飛ぶエイリアンをシューティングし、部屋いっぱいにうろつくゾンビとバトルする。街中にマーカーを設置すれば、スマートフォン越しに見える街は仮想の生き物たちに溢れた不思議な世界だ。
さらにマーカーを使わない、非マーカー型ARも登場。ARの可能性は一気に広がり始めている。マーカー型ARの問題は、マーカーをきっちり認識しないと画像が立ち上がらないことだった。その使い勝手の悪さは、QRコードをイメージすると近い。ほんの少しマーカーの位置がずれただけで、マーカーを認識できず、画像が出ないのだ。
非マーカー型は、マーカーではなく絵を認識してアプリケーションを起動させるARだ。絵は情報量が多いので位置の自由度が高く、斜めにしても、画面内に捉えれば即座に起動する。マーカーに縛られていた開発環境は、非マーカー型の登場で大きく変わるだろう。非マーカー型を応用すれば、絵ではなく立体物そのものを読み込ませ、AR化することも可能だ。この点では現在フランスのTOTAL IMMERSION社が先端を行っている。
ARは従来技術にはなかった新しいスタイルのメディアであり、どんな使い方があるのか、その模索は始まったばかりだ。
【ARカードダス 仮面ライダー】
バンダイ/対応機種:iPhone 3GS・iPhone 4・iPhone 4S・iPod touch/315円
(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)BANDAI2011-2012
【ARゲーム 「ドロイドシューティング」】(クエストコム)
iPhoneを装着するライフル「appBlaster」とセットで
― 遊べる[拡張現実]プロダクトガイド【3】 ―
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