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「マスク頭痛」に悩まされる人が増加。市販薬で痛みが慢性化するリスクも

 新型コロナの第3波が到来し、事態は長期化。収束の見えないストレスと生活様式の変化は、私たちの心身をじわじわと蝕み、この冬以降、意外な不調として表れるという。最悪のケースを防ぐためにも我が身を総点検し、異常を察知しよう! 今回は「マスク頭痛」について、頭痛専門医を取材した。 男の[体調不良]総点検

マスクでこもった二酸化炭素やゴム紐が片頭痛を引き起こす

 コロナ禍で最も変化した生活様式のひとつがマスクの着用。一日10時間以上着けている人も少なくないだろう。そんな中「マスク頭痛」なるものに悩まされる人が増えているという。頭痛治療の第一人者である丹羽潔氏はこう語る。 「常にマスクを着けていると、吐いた息がマスク内にこもるため、どうしても二酸化炭素が多く含まれた空気を体内に取り入れることになる。すると、脳内の血管が拡張し、ズキズキと脈打つように痛む『片頭痛』を誘発します」  また、マスクのゴム紐によって両耳がホールドされることでも頭痛が引き起こされるという。 「こめかみの横にある側頭筋にかかるストレスが、顔全体の筋肉に広がり、首のほぼ中央にある胸鎖乳突筋にまで影響を及ぼします。激しい首の凝りが血液の循環を悪化させ、痛み成分の分泌を促した結果、締めつけられるような『緊張型頭痛』を引き起こす。これは、スマホ画面の見すぎで首が凝る『スマホ首』と同じ状態です」

市販薬に頼りすぎるのも危険

 マスク頭痛のほか、リモートワーク下で「後頭神経痛」に悩む人も急増している。 「左右どちらかに傾いた姿勢で1時間以上作業を続けていたり、前かがみでPC画面を覗いている時間が長いと、後頭部にある末梢神経が圧迫や炎症などによってビリッと電気が走ったように痛みます」  手っ取り早く治そうと市販薬に頼りすぎるのも危険。痛覚の調整機能が狂い、痛みが慢性化する「薬物乱用頭痛」に陥る人が非常に増えており、「月10日以上の服用は危険です」とのこと。クスリはリスクにもなると肝に銘じよう。
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