スポット派遣化する北新地のホステスたち「当日の呼び出しで1時間勤務…」
すっかり肌寒くなり、今年もあっという間に年末がやってくる。例年であれば、夜で働く女性達も年末の繁忙期や正月の海外旅行に向けて気合いが入る頃。しかし今年はいつもと違う。夜に生きる女性達にはどのような影響が訪れているのだろうか? 現場で取材してみた。
話を聞いたのは、今年9月まで大阪・北新地のラウンジに在籍していた28歳の女性。在籍していたと過去形なのは、同月に働いていた店が突然閉店してしまったからだ。
「4~6月はずっと休業していて夏前にようやく営業再開したのですが、お客さんの出入りは戻ってきませんでした。元々は週5のレギュラー出勤で働いていたのですが、客予定がないと出勤させてもらえなかったんです。以前は週末に15人ほど出勤していたホステスも1日出勤5人程度に……。そして、9月に出勤したときに『来週で店を閉めることになった』と、ママから突然、告げられたんです。
それまで出勤していた分のお給料はちゃんと貰うことができましたが、ほとんど出勤していなかったので僅かばかり。幸い、私が住んでいるマンションは家賃がそこまで高いというわけではないので、どうにか家賃滞納は免れましたが。店の近くの高級マンションに住んでいるホステスはさらに大変だと思います」
突然の解雇通達を受けて、20人のホステスが一気に路頭に迷ったのだ。最近はキャバクラでも昼の仕事と掛け持ちするキャストがほとんどだというが、ラウンジやクラブに勤務するホステスは夜1本で働いていることが多い。職を失ったホステス達はどこへ行ったのだろうか。
「今は新地自体に人が少ないので、別の土地で働くというホステスがほとんどでした。年齢的に時給の安い大衆キャバクラか地元のスナックに移る……という子も多いです。また、お客さんから直接お金をもらうパパ活に転身したホステスもいます。私は、とりあえず日払いでお給料が欲しかったのでキャバクラの派遣会社に登録しようと知り合いのスカウトマンに聞いてみました。でも、今はキャバクラ自体が暇なので登録する店が少なくなってきて倒産した派遣会社も多いようです」
働いていた店が突然閉店
20人のホステスが路頭に迷う
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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