常備すべき100円ショップのUVレジン。ネイル、クルマのウィンドリペア、工作に使える
プラモデルやハンドメイドアクセサリーといったDIYから、ちょっとした製品の修復など幅広いユーザーに愛用されているUVレジン(紫外線硬化樹脂)。その歴史は古く、1980年代頃にはすでに登場していたともいわれています。
最初のころは、ごく一部のモデラー(プラモデル制作家)が愛用する程度で認知度もほとんどありませんでしたが、1990年代に入りプラモデルメーカーから光硬化パテ(光硬化樹脂)が登場し、広くホビーユーザーに知れ渡りました。
当時のモデラーは、2液混合のパテなどでプラモデルを改造していたため、この硬化時間が曲者。最短10分~60分程度で硬化するとはいえ、硬化後のヒケ(へこみやくぼみ)が顕著に出たり、プラモデルとの硬さの違いから削りが面倒だったりと問題点も多々ありました。
しかし、光硬化パテはヒケもなく、硬化時間も僅か1分程と制作時間を大幅に短縮できるということもあり、モデラーの人気を集めました。
ちなみにこの光硬化樹脂は、すでに歯科治療で活用されており、450nm程度の波長で硬化する仕組み(可視光と紫外線のギリギリの境目くらいの光)で、医療界ではコンポジットレジンともいわれています。
2005年ごろになると、女性用ネイルアート業界でも光硬化樹脂が採用され、マニキュアよりも長持ち、安価で簡単に施行できるなどの利点でジェルネイルとして女性にも広く知れ渡り様々なサロンでネイルアートが施術されるようになりました。
一般ユーザーにUVレジンを広く認知させ、革新を与えたのが、日本では2016年に登場したBONDICというUVレジンです。UVレジンとUVライトが一体型になったペンタイプのUVレジンキットで、BONDICでは接着剤として銘打っていますが、盛り付け接着もできるという事もあり、モデラーに広く取り入れられています。
LEDが広く普及したこともあり、簡単に紫外線LEDを入手できるようになり、紫外線波長域のみで硬化促進が可能なのがUVレジンの特徴で、だれでも簡単に接着や修復ができるようになっています。
さて、そんなUVレジンですが、現在ではなんと同等の製品が100円ショップでも入手できると言うから驚きです。UVレジンだけでなく、UVライトも入手可能となっており、高額な機材をそろえなくともお手軽にUVレジンを体験できるようになりました。
とはいえ、大量に制作するならそれなりに大きめのUVライトなども欲しくなるのですが……。
現在では、クリアカラーのUVレジンだけでなく染料で着色されたさまざまなカラーやソフト・ハードと分けられた硬化後の硬さ違い、UVレジン用の混ぜものなどもすべて100円ショップで揃います。
また、これ以外にもハンドメイドアクセサリー制作用アイテムも非常に豊富に取り扱っており、アクセサリー作家のなかには、100円ショップ製品だけで仕上げているという猛者もいるとか。
歯科医療からクルマのウィンドリペアやジェルネイルなど、さまざまな分野で使われているUVレジン。工作のお供だけでなく、お手軽接着剤としても活用できるので家に1セットぐらいは常備しておきたいものです。テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク
マニア向けだった硬化樹脂が広く知れ渡ったのは……
家にあると便利なUVレジンは100円ショップで揃えられる!
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