仕事

リモートで差がつく組織の5つのポイント

企業ごとに異なる「リモート」の参加様式

リモートワーク

写真はイメージです

 ビジネススキルをその場で高める演習プログラムを、さまざまな企業や団体で実施している。感染拡大防止のために、昨年2月以降は、対面での演習をリモートに切り替えている。  私の場合は、カメラとマイクを常時オンにして、トレーナーのガイドに対してその場で反応の表情や声を挙げていただきながら、問答や双方向演習を反復している。カメラやマイクを常時オンにできる人、常時オンにして参加することを承知している人が対象だ。  トレーナーのガイドに対する反応だけでなく、2人1組のロープレや、数人1グループでの検討など参加者同士で演習を実施していくので、お互いに反応を確認しあうこと大事だ。名前も実名を表示していただいて、リモート会議に参加いただく。顔と名前が一致した上で行うわけだ。できるだけ、対面に近い状況を再現している。  内容も、トレーナーが一方的に解説をして、参加者はひたすら聞くというものでは全くなく、理屈や理論の説明はほとんど行わず、問答と演習を行う。静粛とは真逆の、時折予期せぬ音声などが混入することも許容しながら、わいわいがやがやしながらの演習だ。その方が、演習効果が高いことがわかっている。  こうした演習や、それに伴う主催部との会議などで、毎日、リモート演習や会議を実施している中で、気づいたことがある。カメラとマイク常時オン、問答や双方向演習の参加の仕方について、組織によって、大きな差があるのだ。その差が、リモート環境下での企業の成長を大きく左右するというように思えてならない。

カメラオン、マイクオンにできるか

 1つ目の差は、リモート会議へのアクセスの仕方だ。ほとんどの参加者が、カメラとマイクをともにオンにしてアクセスする組織と、逆に、ほとんどの参加者が、カメラやマイクをオフにしてアクセスしてくる組織とにわかれる。後者は、カメラオフ、マイクオフが習慣化されてしまっている可能性がある。  2つ目の差は、氏名の表示だ。ほとんどの参加者が、氏名を表示してアクセスする組織と、社員番号などの記号表示のまま参加する人が多い組織とにわかれる。カメラオフ、マイクオフで、顔も見れない、声も聞けない、挙句の果て名前もわからないという後者で、コミュニケーションが進まないのは当たり前だ。  3つ目の差は、アクセスするタイミングだ。演習の場合はたいてい30分前から、会議の場合は15分ほど前から、入場可能なように主催者である私はスタンバイしている。  ほとんどの参加者が、開始時間前に十分余裕をもってアクセスする組織と、逆に、ほとんどの参加が、開始時間前ぎりぎりになる組織がある。前者は、参加者同士やトレーナーとの間で、コミュニケーションをとることができるが、後者は用件以外のコミュニケーション機会が損なわれていると思えてならない。
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エンゲージメントのレベルに差をつけるある習慣
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(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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