仕事

「バラバラなチーム」でも時には武器に。「モチベーションファクター」がその鍵

バラバラな組織をまとめることができるか

チームワークイメージ

yongshan / PIXTA(ピクスタ)

 年度始に人事異動や組織再編成が行われ、新しいチームで仕事をしている人もいるだろう。1か月も経過すると、組織のまとまり具合が気になってくるものだ。「まとまりがよい」というチームもあれば、「ばらばらだ」という組織もある。  組織のまとまりが気になり始めたら、手遅れにならないうちに、手を打つ必要がある。そもそも組織のまとまり具合は、どのように把握すればよいのだろうか。  このように申し上げると、「組織のまとまりというものは、漠然としたものなので、具体的に把握することは難しい」という人もいるし、なかには、「『まとまっていると思えば、まとまっている』というように、主観的なものだ」と諦観を持っている人もいる。  しかし、私はそうは思わない。組織のまとまり具合を、数値で捉える方法がある。そして、この方法を使えば、手遅れにならないうちに、組織のまとまり具合を高めることができる。

モチベーションファクターの分散度

 その方法とは、人それぞれで異なるモチベーションファクター(意欲を高める要素)によって、組織のまとまり具合を把握する方法だ。  私はモチベーションファクターを、チャレンジすることで意欲が上がる「目標達成」、独自の取り組みをすることで意欲が上がる「自律裁量」、責任を果たすことで意欲が上がる「地位権限」、協力し合うことで意欲が上がる「他者協調」、リスク回避することで意欲が上がる「安定保障」、バランスを取ることで意欲がある「公私調和」の6つに分けている。  6つに分けている理由は、日本のビジネスパーソンのモチベーションファクターはこの6つにほぼ均等に分布されるからだ。  モチベーションファクターの観点で組織をみてみると、メンバーのモチベーションファクターが似通っていると、一見まとまりがよく、さまざまなモチベーションファクターに分散していると、まとまりが悪そうに見える。  企業や団体で、組織のメンバーのモチベーションファクターを計測すると、目標達成や安定保障など特定のモチベーションファクターに集中していている組織と、6つのモチベーションファクターにばらついている組織というように、組織によってモチベーションファクターの分散状態はさまざまだ。  例えば目標達成のメンバーが多く集まった組織だと、一人が「チャレンジして目標達成しよう」と言えば、すぐにその方向でまとまる。しかし、さまざまなモチベーションファクターに分散している組織だと、一人が「リスクを度外視して早速チャレンジしよう」と言っても、他の他者協調のメンバーが「もっとよく相談した方がよい」と言ったり、安定保障のメンバーが「リスクをよく考えて、慎重に取り組む必要がある」と懸念を表明したりして、なかなかまとまらないと言う事態が生じやすい。
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バラバラの個性のチームは顧客対応には向いている
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