娘の部活内で「陽性者」が発生、家族は全員「濃厚接触者」に
緊急事態宣言が沖縄県を除く9都道府県で、6月20日に解除され、東京、大阪など7都道府県はまん延防止等重点措置に移行された。
田舎に住んでいる川口茂さん(仮名・40代)は、高校生の娘が新型コロナウイルスの陽性者となった。そのとき、気が気ではなかったという。
「娘は部活をしているのですが、まずはその中の1人が陽性者になりました。娘は濃厚接触者としてPCR検査を受けたのですが、陽性であることが分かったんです」
娘が感染者であることが判明した日は、食事の際も部屋にこもってもらう状態だった。そして翌日、ホテル療養する人向けのシャトルバスが出るため、集合場所に娘さんを送って行くことになったという。
「ホテル療養は、きちんと管理してくださる方も在中しているとのことで、安心ではあるんですけど。そのホテルは、自宅から1時間以上も離れている場所にあるんです」
なぜそんな遠い場所にあるのか……。それは田舎だからなのか。理由は不明だという。
「当然、僕含め家族は濃厚接触者に該当するので、保健所の指示に従ってPCR検査を受けました。当日に検査結果が分かるからと、自宅で結果を待っていました。結果はみんな陰性です」
陰性だったことに安心したのも束の間……。濃厚接触者ということで2週間の自宅待機を告げられた。
「すぐに職場に連絡して、事情を説明しました。なにしろ娘のことが心配で、これからの2週間をどのように過ごすかを考えたりする日々でした。無症状なので、それだけは良かったと思いましたが、高校生がひとりで、しかも自宅から遠い場所に隔離されるのは辛いですよね」
川口さん自身には、必要最低限の買い物や外出は許されており、毎日保健所から体温や体調の様子を伺う連絡がきているという。娘は時間を持て余し「暇過ぎる」と言っていたそうで、症状が落ち着いていることに安堵の表情を浮かべる。
「娘が元気であることが、せめてもの救いです」
新型コロナウイルスに感染すると、病院やホテルなどの施設、あるいは自宅で隔離状態となる。学校や職場などの身近なところでも感染者や濃厚接触者が珍しくなくなった昨今、いざ自分や家族がそうなってしまった場合、どのような対応を迫られるのだろうか。ときには、実家などを巻き込む形になることもある。
娘の部活内で「陽性者」が発生
家族は全員「濃厚接触者」
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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