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「このクソボケ」「ノロマ」怒声が飛び交う現場。職人の上司ガチャ失敗談

「親ガチャ」という言葉がネット上で流行している。子どもは親を選べず、ガチャガチャ(カプセルトイ自動販売機)のように運要素が強い——。たいていは親のせいで人生が困難に陥っているという文脈で使われるが、そこから派生して「上司ガチャ」まで登場。そこで、上司に恵まれない部下たちの「上司ガチャ失敗談」をお届けする。  今回は、体育会系のイメージもある職人の世界をのぞいてみよう。

大卒で鳶職に。上司のその日の“気分”に左右される

職人

画像はイメージです(以下同)

 西日本にある足場屋で働く佐藤新さん(仮名・20代)は大学卒業後、鳶職人として働いている。なぜ大卒で鳶職人を選んだのか。その理由は2つあるという。 「1つ目は、社長が面白そうだったから。これが入社の決め手となりました。2つ目は、もともと職人に憧れていたからです。腰にたくさんの道具を付けて屋根の上でバリバリ働く姿。それは幼い頃から就職活動のときまで変わりませんでした」  そして某工務店に就職した佐藤さんだったが、入社1週間後に現実を知る。

怒声が飛び交う現場

おしゃれな建設作業員6人チーム「遅いって!」  その怒声は佐藤さんに向けられたものだった。 「朝、みんなが現場に歩いて行きます。自分は慣れない手つきで腰に道具を付けながら歩いていたのですが……。うまく付けることができず、ようやく付けられた頃には先輩たちとの距離が離れていました」  ダッシュで先輩たちの元に辿り着いた佐藤さん。しかし上司のSは機嫌が悪かった。事あるごとに怒られる。 「上司は『気分屋』で、その日によって私たちは左右されます。あるときは『はよせえや!』と偉そうに命令する。またあるときは、スキップしながら『佐藤さ~ん』と慣れ慣れしく名前を呼んできます」
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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