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「普通の人だったら理解できる」が口癖の上司、“普通の人”って何?

「親ガチャ」という言葉がネット上で流行している。子どもは親を選べず、ガチャガチャ(カプセルトイ自動販売機)のように運要素が強い——。たいていは親のせいで人生が困難に陥っているという文脈で使われるが、そこから派生して「上司ガチャ」まで登場。
上司ガチャ

※写真はイメージです(以下同)

 そこで今回は、上司に恵まれない部下たちの「上司ガチャ失敗談」をお届けする。ときには、退職に追い込まれてしまうこともある。  

鬼上司の暴言にウンザリ「売上落ちるのあんたのせいやで!」

 上山美香さん(仮名・20代)は飲食店で働いていた。当時出会った女性上司のAがひどかったという。  性格の浮き沈みが激しいAは、入社8年目の正社員。休み時間にはプライベートのことを話してくれる明るい人だったというが……。 「Aは彼氏と同棲中らしく、よくその話を聞かされました。そのときはとてもフレンドリーなのですが、仕事が始まると、ほんの数秒前とは一変して鬼上司へと変貌します」  早口で「商品の在庫が足りない?」「発注したの誰?」とまくしたてる。 「またあんた?」「前も間違ってたよな?」 「私が(パソコンに)打ち直すから、その商品ストップして! 売上落ちるのあんたのせいやで!」  上山さんや部下たちは何度も謝るが、Aは「ヘラヘラすんな!」「ほんまに社会人なん? 出直してこい!」と叱り続ける。  

理不尽な出来事に転職を決意

 ある日、あまりにも理不尽な出来事に直面し、上山さんは転職を決意する。 「その日はお客様が少なくて、他の従業員たちと話をする時間がありました。恋愛話などをしていたのですが、突然、Aが入ってきたんです。怒られることはなく、むしろノリノリで会話に参加してきて。そこにお客様が来たので、Aが接客に向かったんです」  笑顔で注文を受けに行ったA。しかし戻ってくると、その表情は曇っていた。そして、嫌な予感が的中する。 「他のお客様から『店内がうるさい』とのクレームがあったと言うのです。Aも会話に参加していたにもかかわらず、『あんたたちのせいだろうが!』と怒鳴られました。私の淹れたコーヒーに対しても『量が少ない、もう1回淹れ直して』と烈火のごとく叱り続けていました。最終的には、『生理前ってほんまイライラするわ』って。毎日こんな調子なので、転職しましたね」
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「普通の人だったら理解できる」が口癖の上司
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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