更新日:2022年01月24日 17:06
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逮捕歴3回のわいせつ教師が学校にいるのはなぜ? 教育現場のゆがんだ実態

3度逮捕され、4度目の逮捕となったわいせつ男がなぜ教壇に……

教室

写真はイメージです

 教師による、セクハラ、わいせつ事件が後を絶たない。警視庁は1月12日、東京都板橋区の小学校で教え子の女児3人にわいせつ行為をしたとして、強制わいせつ容疑で、板橋区立小学校教諭の高橋慶行被告(別の強制わいせつ罪などで起訴)を再逮捕したと発表した。  取材した全国紙記者は呆れ顔だ。 「高橋は昨年10月に起こしたわいせつ事件で逮捕されていましたが、余罪が出てきたというわけです。驚くべきことに高橋は昨年10月に逮捕されてから今回で4回目の逮捕です。子供たちへの猥褻事件で4回も逮捕された者が教師として教壇に立っていたことに、地元の父兄は衝撃を受けています」  教員免許を取得する際に過去の逮捕歴や問題行動などの照会はなかったのだろうか。記者によれば、教員免許を失効したとしても3年が経過すれば再び教員免許を取得することができたことに加え、わいせつ行為や性犯罪を起こした元教員が処分歴を隠して採用されるケースがまかり通っていただけでなく、「処分された自治体ではない、他の自治体で採用されてわいせつ行為を繰り返していた事例もありました」(前出の記者)というから驚きだ。

わいせつ教師のデータベース化と法律も成立

 こうしたわいせつ教師を巡るザル状態から子供たちを守るため、議員立法で法律も作られた。前出の記者が解説する。 「文部科学省の発表によれば、2019年度にわいせつ行為などで懲戒処分や訓告を受けた公立小中高校などの教員は273人で過去2番目の多さでした。今年5月には教員によるわいせつ行為を防止するための法律、わいせつ教員対策法が議員立法で成立しました。  これにより、わいせつ行為で懲戒免職となった教員の免許再取得を都道府県教育委員会が拒絶できるようになり、国がデータベースを整備することも規定しています。これまでの対応があまりにもお粗末、ザルだったことを考えれば、大きな進展だと思います」  まだまだ不備はあるとも言われるが、大きな一歩を踏み出したことには違いはない。しかし、法律の制定とは裏腹に、不届き者の教員が生徒に対するわいせつ行為で処分されるケースは一向に減る気配はない。  そこで今回は2020〜2021年にかけて起きた、教師によるわいせつ事件をざっと調べてみたが、こんなことが学校で起きていたのかと思うと胸が痛くなった。
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わいせつ教師事件簿
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