更新日:2022年02月03日 16:33
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元フジ・吉崎典子アナ。先生になりたかった20代の夢は定年退職後に叶えていきたい

教員になるつもりで大学へ

 昨年10月末でフジテレビを定年退職し、フリーアナとして再出発した吉崎典子さん(60)。1984年入社の吉崎さんは男女雇用機会均等法の制定を経験する一方、女性アナのアイドル化を目の当たりにしている。吉崎さん本人の歩みと花形職業の変遷を聞いた。
吉崎典子

フリーアナとして再出発した元フジテレビの吉崎典子さん

――アナウンサーになられた動機は「人に会うことが好き」だったからとか? 吉崎:はい。最初は教員になるつもりで大学に入りました。 ――東京学芸大ですね。 吉崎:教員になりたいと考えた理由もデスクワークと違い、生徒らと会える仕事だと思ったからです。でも、大学に入ると、「もっとたくさんの人に会える仕事は何だろう」と考えるようになり、「アナウンサーなら多くの人に会えていろいろな場所に行けるんじゃないか」と思い、チャレンジをしてみたくなりました。 ――フジテレビ入社は1984年。寺田理恵子さん(現フリー)らと同期ですね。 吉崎:はい。でも私が入った時の女性アナは、正社員ではありませんでした。男女雇用機会均等法制定の前年だったものですから。男性は最初から正社員。入社時に「何年後かにまた契約更新があるのよ」と聞き、「そういう世界なのか」と思いました。2年目から男女雇用機会均等法によって正社員ということになったわけですけれども。

アイドルアナについて思うこと

――当時は女性アナがアイドル視される時代が来るとは思わなかったのではないですか。 吉崎:いえいえ。同期の寺田さんがアイドルアナの元祖でしたから。『オレたちひょうきん族』(1981年~1989年)の2代目司会者を務めたひょうきんアナで、歌も歌ってCDを出しているんですよ。同期がそういう華やかな活動をしているのを見るにつけ、「そういう資質がある人にはそういう仕事が来るんだなぁ」と思っておりました(笑)。 たぶん、採用時に見ているんですね。「この子はアイドル路線でいけるな」とか。4年後の1988年、河野景子さん(現フリー)、八木亜希子さん(同)、有賀さつきさん(2018年逝去)が揃って入ってきた時には同僚たちみんなで「オーッ」という感じでした。3人とも華やかでキラキラしていました。 ――女性アナのアイドル化は進むばかりです。どう思われます? 吉崎:女性アナにはいろいろな色を持っている人たちがいるので、それぞれの色の表し方として、アイドルアナという存在があってもいいと私は思います。一人一人の持ち味を生かせばいい話なので。アイドル的な資質のある人はそういう番組に付いたほうが輝きます。
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女子アナではなく、女性アナ
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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