更新日:2022年12月12日 15:41
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大手メーカーを早期退職した63歳男性の後悔「一気に衰えた」

かつては”上がり”とされてきた還暦。人生100年時代という延長戦を迫られた今、おめでたいと手放しで喜べる余裕はない。ミッドライフ・クライシスの先に待ち受ける、60代の厳しい現実とは?

新卒で入社した大手メーカーを58歳のときに早期退職

60代危機

今も会社員のような私服だ

「60~65歳は一番宙ぶらりんだなと思う。年金はもらえず、給与はガクッと下がる」 現在無職の矢内智之さん(仮名・63歳)。新卒で入社した大手メーカーを58歳のときに早期退職した。 「当時の年収は750万円。60歳で再雇用されると給与が半分以下になると聞いていたし、もう辞めたいと思っていました。管理職でもなく、社内の風向きもあまりよくなかったんで」

妻とも家庭内別居状態に

60代危機

根っからの仕事好き。自身の投稿が掲載されたプログラマー雑誌を持ち出し、目を輝かせて語る

それでも仕事は好きでプログラム技術には自信があったが、60代目前の再就職の道は厳しかった。正社員を諦め、派遣社員として就職。だが、コロナ禍のリモートワークに嫌気が差し、昨年退職した。 「部屋にこもりがちになり、目や耳、膝が一気に衰えた。体が痛いと出かける気もうせるし、今は毎日朝から晩までビデオを観たりしてダラダラしてますよ。人と会わないと、2~3日同じ服で風呂も入らなかったり。よくないですね。結婚はしてるけど家庭内別居状態。もともと会話もほぼなかったのが、妻の勤め先が特養なのでコロナ禍で3m以内に近づかないようになり、食事も別です」
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還暦を過ぎた今も稼ぎはあるが…
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