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小料理屋の美人女将が教える“おとなの嗜み”。行きつけの店をつくるコツ

 仕事や恋愛、家庭など、何かと悩みは尽きないものだ。人間関係が希薄になりつつある昨今、ふと誰かに話を聞いてもらいたくなることもある。とはいえ、その相手は親しい友人でもカウンセラーや医師などの専門家でもなく、馴染みのスナックや小料理屋のママのような距離感が良かったりもする——。
越智ゆき子

横浜の小料理屋「華々や(かかや)」女将の越智ゆき子さん(46歳)

 そこで今回は横浜・長沼町で小料理屋「華々や(かかや)」を営む、巷で「美人」と評判の女将・越智ゆき子さん(46歳)を取材。越智さんは、同店を訪れる老若男女の客から日々さまざまな人生相談を持ちかけられている。  近年は友達が少ない・いない中高年男性が取り沙汰されているが、その結果、「熟年離婚」につながることもある。定年退職後、妻に愛想を尽かされないための夫婦関係、サードプレイスとしての“行きつけの店”をつくるコツなどを聞いた。(記事は全3回の3回目) 【第1回記事】⇒「子どもは親の背中をちゃんと見ている」家事・育児の悩み、小料理屋の女将に聞いて納得 【第2回記事】⇒巷で「美人」と評判の小料理屋・女将に聞く「モテる男性の共通点」と「恋愛することの意味」

無趣味で「妻しかない」中高年男性も…

越智ゆき子——最近は熟年離婚してしまう夫婦の問題についてよく聞きます。同居期間20年以上の夫婦の離婚の割合が1990年から増加しているというデータもあるみたいですね。ゆき子さんのお店のお客さんなどで熟年離婚された方もいますか? 越智:まあまあいますね。こちらから原因について深くは聞かなかったりするんですけど、旦那さんが定年退職してから友達や趣味がない場合って、そのぶん、奥さんに目がいっちゃうみたいで。重荷になってしまうみたいですよ。買い物までついてきて、もう苦痛でしょうがないと。本当に息が詰まって、奥さんが病気になっちゃうこともあるそう。 ——それはツラいですね。ズバリ、熟年離婚を避けるために大切なことは何ですか。 越智:結論から言うと、お互いに一人で楽しめる趣味を持つということになるんですけど。 ——夫婦とはいえ、一人の時間はほしいですね。ただ、仕事に長年フルコミットしてきて、急に「一人で楽しめる趣味を持ちなさい」と言われても戸惑ってしまう男性の気持ちもわかるような気もします……。

熟年離婚を避けるための「サードプレイス」

越智ゆき子越智:まずは、それぞれ自分の部屋を持つところから始めるといいと思います。一人でも楽しめるような趣味などをきっかけに、自然と人間関係も広がっていくような流れが理想的なのかなと。 ——若い頃は会社の同期なども含め、学生時代の友人などとも付き合っていたはずが、年齢を重ねるうちに、意識していないと人間関係がどんどん狭まっていく。現役時代に仕事と家庭以外の関係が圧倒的に不足していると、余計に将来は奥さんの重荷になってしまう可能性が高いわけですね。近所の行きつけの飲み屋みたいなコミュニティの存在も熟年離婚を避ける上で大切なのかもしれません。 越智:大人になってからの友人なんて、少なくてじゅうぶんだと思いますが、優先順位として「仕事」と「子育て」に追われやすい時期から意識するならば、そういうお店を近所につくっておくことも選択肢のひとつではありますよね。やっぱり、会社や家庭からは少し離れた場所の友達は必要だと思います。 ——いわゆる「サードプレイス」と呼ばれる心の拠り所・居場所のことですね。
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“行きつけの店”をつくるコツ
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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

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