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キャバ嬢たちの知られざる「引退後」。結婚、就職、行方不明も…

 夜の世界に生きるキャバクラ嬢たち。華やかな世界に見えるが、働ける期間は決して長いものではない。愛沢えみりや門りょう、エンリケなどといった元カリスマキャバ嬢のように、人脈や経験を生かして起業できるのはほんの一握りだろう。
カワノアユミ

元キャバ嬢で現在はライターのカワノアユミ

 では、普通のキャバ嬢たちは水商売を引退した後、どのような人生を歩むのだろうか。水商売で15年以上勤め上げ、さまざまなキャバ嬢たちの「その後」を見てきた筆者がその一例をご紹介する。

「結婚」彼氏や太客に水揚げされた

 引退したキャバ嬢のその後で最も多いのは、結婚というケースではないだろうか。付き合っていた彼氏にプロポーズされた、太客に水揚げされた……もちろん、結婚を理由に引退することは何も問題はないが、やめ方によってはキャバ嬢の人間性が問われることもある。  中でも揉めるのが「授かり婚」だ。一般的な会社員であれば、女性は妊娠が発覚したら会社に報告して産休や育休の申請をし、仕事の引き継ぎを行う。だが、キャバ嬢は酒を飲まないといけない仕事なので、現実的には続けることが難しくなる。そのため、妊娠したことで急に出勤しなくなるキャバ嬢も多い。  退店届は、やめる1ヶ月前に出すのがキャバクラの一般的な決まりである。もし、年末の繁忙期にキャストが突然来なくなったり、本来は大きな売り上げが見込めるバースデーイベントを控えた売れっ子キャバ嬢が出勤しなくなれば、店にとっても損害だ。店側も「結婚するにも、もう少し計画性を持ってやめてくれよ……」と嘆きたくなるだろう。

「奨学金を完済」「独立・起業」キャバクラで働く“目的”が明確だった

 たとえば、「奨学金の返済のために働いていたが完済した」「将来、独立するために貯金をしていたが目標金額に達した」など、それぞれの目的があって若いうちだけキャバクラで働くというケースだ。  これはキャバ嬢として理想的な引退といえるだろう。  そもそも、キャバクラの仕事は何年も続けるものではない。毎日のように飲み続けることは精神的にも肉体的にも年々、負担が大きくなっていく。目標を決めて貯金をしない限り、ダラダラと続ける羽目になってしまう。
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夜の街では「行方不明」も多い
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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