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秋ドラマ「コア視聴率」BEST10。業界関係者が本当に評価するのは

あてにならない世帯視聴率

テレビを見る女性 秋ドラマの中盤に入りつつある。自分が観ている作品の視聴率が低く、クビを捻っている人もいるのではないだろうか。  その理由はおそらく、視聴実態が反映されにくい世帯視聴率を見ているから。世帯視聴率は2年半前から民放もNHKも実務に使っていない。  世帯視聴率を分かりやすく言うと、どれくらいの世帯がそのチャンネルをつけていたかを表す。高齢者の好む番組ほど数字が高くなるのが大きな特徴だ。  猛スピードで進んだ少子高齢化が背景にある。高齢者(65歳以上)がいる世帯は2019年時点で全体の49.4%にも達している。1980年時点では24.0%だったから約2倍だ。

13〜49歳の「コア視聴率」が重要

 一方、18歳未満の子供がいる世帯は2019年時点で21.7%。1980年には全体の49.9%だったから、半分以下になってしまった。だからアニメも特撮番組もプライム帯(午後7時~同11時)からほぼ絶滅した。  世帯ごとに集計する世帯視聴率は数の多い高齢者向けの番組のほうが圧倒的に有利なのだ。また、視聴者の年齢構成が大きく様変わりしてしまったので、もはや過去と現在の世帯視聴率を比べることにも意味はない。  世帯視聴率と決別した民放とNHKが新たな基準にしているのが個人全体視聴率。どれくらいの人がその番組を見ていたかを表す。観た人の性別や年齢なども分かる。  さらに民放が最も重視するのは個人全体視聴率のうち13歳~49歳の部分を切り取ったコア視聴率。この数字が高いとスポンサーは歓迎する。プライム帯の秋ドラマをコア視聴率でランキング化してみた。世帯視聴率とは順位がガラリと変わる(10月31日~11月6日、ビデオリサーチ調べ、関東地区)
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コア視聴率のBEST10は?
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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