アイドルとファンの恋愛を現役アイドル・NMB48安部若菜が描く
“アイドルとファンの恋愛”という禁断の関係がリアルに描かれている話題の小説『アイドル失格』(KADOKAWA)。そんな刺激的なストーリーを書き上げたのは、大阪を拠点に活動するNMB48の人気メンバー・安部若菜だ。最近では、アイドルとそのファンが結ばれる「推しと結婚」というワードも注目されている。現役アイドルの彼女が今作に込めた想いから、ファンとの恋愛も妄想してもらった。
――今回が小説家デビュー作ということで、出版のきっかけから教えてください。
安部 子供の頃から本を読むのが好きで、漠然と「小説を書きたいな」と思っていました。そのときに、吉本で「作家育成プロジェクト」が開催されて。自分の書きたい本を出版社の方々にプレゼンして、手が挙がったらチャンスがもらえる。私のための企画だと思って挑戦したのが始まりです。
――「アイドルとファンの恋愛」をテーマにするのはそのときに?
安部 そうですね。でも最初は、この題材にするのは抵抗があったんです。やっぱりアイドルが主人公の時点で私と重ねられると思うし、すぐに「これ実話なんじゃないの?」って言われてしまうから(笑)。ただプレゼンという場で自分を生かせて、1番引きのあるテーマは何か?ということも考えたり、アイドルが描くアイドルの小説は他にもあったりするので、どう差別化できるのかも意識しました。
――『アイドル失格』という本のタイトルもキャッチーですね。
安部 タイトルにはわかりやすく「アイドル」というワードを入れたかったのと、太宰治の「人間失格」から取ったんです。「アイドル」と「失格」というかけ離れた言葉を結びつけるのが面白いと思って、1番しっくりきたものを選びました。
――今作では、地下アイドルグループのセンター・小野寺実々花、そして彼女を推す大学生の吉野ケイタの視点が入れ替わりながらストーリーが進んでいきます。ケイタを普通のオタクじゃなく、“ガチ恋”オタクにした理由は?
安部 ファンの方を見ていて、誰しもが推しと付き合いたいと思っているわけではないですし、逆にそういうことを考えていない人のほうが多くて。その好きの方向性が同じものを見てるなかで、“ガチ恋”に変わるのが興味深いなって前々から思っていたんです。読んでもらったファンの方からは、「ケイタに共感し過ぎて読んでるとツラい……」って声も結構ありました。
“ガチ恋”オタクを描いた理由
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