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有馬がダメでもホープフル!中央競馬今年最後のG1で注目すべき2頭

2017年より12月28に施行されているホープフルS

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昨年のホープフルSはキラーアビリティが2分0秒6のレースレコードで快勝

「有馬がダメでもホープフルがある!」  これは、2017年にホープフルSがG1に昇格し、12月28日に施行されるようになって以来、有馬記念に敗れた競馬ファン定番のセリフとなっています。  ホープフルSの前身はラジオNIKKEI杯2歳S。本来、2歳チャンピオン決定戦は朝日杯FSなのですが、当時は中山芝1600mでの施行だったため、内枠有利の傾向が強過ぎる、いわゆる「枠ゲー」の様相を呈していました。  また、クラシックを目指す上で、1600mの激流を挟むことがマイナスに働く可能性も否定できず、翌春のクラシックを目指す素質馬ほど、ラジオNIKKEI杯2歳Sを選択する傾向が強かったのです(アグネスタキオン⇒ジャングルポケット⇒クロフネで決着した2000年は、競馬ファンの間で語り草となっているレースの1つです)。  2017年より中山芝2000mのG1として開催最終日に行われるようになってからも、2018年には翌年の皐月賞馬サートゥルナーリアが、2019年には後の無敗の三冠馬コントレイルがホープフルSを優勝。王道路線を目指す若駒にとっての登竜門的位置付けは変わっていないように見えます。  しかし、直近2年に限ると少し様相が異なります。上位に食い込んだ3頭が、いずれも翌春のクラシックで馬券に絡む活躍はできていないのです。  一方で、2014年から阪神に舞台を移した朝日杯FSから活躍馬が多数。昨年の勝ち馬ドウデュースはダービーを制し、2着セリフォスはマイルCSを制覇、3着のダノンスコーピオンはNHKマイルCを勝ちました。

2歳冬の中山芝2000m戦は過酷な舞台

 なぜ、このような現象が起きたのか?  もちろん、その年のトップホースを管理する調教師が、どちらのレースを選択するか次第と言ってしまえばそれまでなのですが、「2歳冬の段階での中山芝2000m戦はタフ過ぎる」というのも要因の一つでしょう。  スタート直後、そしてゴール前と二度の急坂を登る必要があり、それだけでも非常に過酷。加えて、冬場で芝の生育状況が良くないため、馬場は荒れがちです。また、G1に昇格したことで頭数が揃うようになったため、ペースが流れて激戦になりやすくなります。  これらの要因が重なって、スピードよりも極端にスタミナやパワーに寄った舞台に振れていることで、春クラシックで求められる適性と、このレースで求められる適性にズレが生じているのかもしれません。実際、一昨年の2着馬オーソクレール、昨年の2着馬ジャスティンパレスはともに、翌秋の菊花賞で馬券になっています。
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第2のタイトルホルダー!? ドゥラエレーデ
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馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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