更新日:2023年02月20日 18:47
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宗教2世のリアル体験を漫画で描く「教団に人生を吸い上げられた」

宗教2世の問題、安倍元首相銃撃で浮き彫りに

カルト宗教信じてました。

『カルト宗教信じてました。「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由』より

【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます  昨年7月、奈良市で参院選の応援演説中だった安倍晋三元首相が凶弾に倒れた。同市の無職、山上徹也被告は殺人罪、銃器製造、公職選挙法違反など5つの容疑で起訴され、発生から半年以上を経て一連の捜査は終結、初公判を待つ身となった。首相経験者が殺害されるという事件の重大性と、旧統一教会への恨みが動機とされる特殊性から、公判までの準備が長期化されることが予想され、その間にも様々な議論がなされている。  もちろん、宗教2世が抱える問題は統一教会ばかりではなく、同事件の以前から存在していた。母と共にカルト教団に入信し脱会し、その経験を漫画にしている漫画家のたもさん(@tamosan17)という人物がいる。宗教2世の人生と、安倍元首相事件の前後で、カルト宗教に対する社会の変化を聞いた。

母を守りたい気持ちで

――たもさんはどのような新興宗教に入っていたんですか? たもさん:19世紀アメリカで生まれた『エホバの証人』という教団です。伝統のキリスト教を、独自解釈したような教義が特徴ですね。「輸血をしてはいけない」という掟があるのは有名です。 ――入信の経緯を教えてください。 たもさん:母が友人から誘われて入り、母は家族も引き込もうとしました。私は4人兄弟なんですが、他の兄弟は誰も入らなかったんです。父は最も強く反対し、母自身の入信もなんとか阻止しようとしていました。暴力を振るってでも止めていたんです。 ――そこまでされても家族を引き込もうとするのは、お母様はすでに洗脳状態にあったのかもしれませんね。 たもさん:父に殴られ家族に味方がいない母が可哀想に見えて、私は子供だったので「私が味方をしてあげなきゃ」と、一緒に入ったんです。
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ノウハウ本のように生活と思想に侵入してくる
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由

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