更新日:2024年02月09日 15:05
仕事

まるで“子供”の新入社員。母親から会社に電話「今日はお休みさせていただきます」

 多くの企業が新入社員を迎え入れる春。新卒はもちろん、転職してきた人たちで職場の空気は一変する。だが、そこに上司や先輩を困らせる自分勝手な“とんでも新入社員”が紛れ込んでくることもあるのだ。“個”が尊重される時代においても、組織としては悩ましい問題である——。  傍若無人に振る舞う新入社員の対応に困っている上司や先輩社員も少なくない。

注意されると「まるで幼児」

空を仰ぐ新社会人

※写真はイメージです。以下同

 山田裕也さん(仮名・60代)が勤めていた中堅商社は、毎年数十名の新入社員が採用されていた。 「ひときわ目立つ女性社員Aが入社しました。丸顔で目が大きく、鼻筋の通った小柄な女性で、華やかな雰囲気を醸し出す人でした」  Aの見た目から、特に男性陣のウケは最高だったという。ただし、仕事の覚えはよくなかったそうだ。 「正直、現場で実際に指導する立場の先輩社員からの評判はイマイチでしたね」  ある日、「何だ、これは。書類の体裁が無茶苦茶じゃないか! ひどいぞ、すぐに直してこい」という課長の大声が響きわたった。すると突然……。 「『いやあ〜。うえ〜ん、うえ〜ん』という泣き声が聞こえてきました。そして、どた〜んという音が響いたんです」  周囲はその光景を目の当たりにしてア然。Aが、フロアに仰向けにひっくり返っていた。手足をバタバタさせながら、泣き喚いていたという。

可愛い“モンスター”?

「顔を見ると、大粒の涙を流していました。まるで幼児です。慰めようも、なだめようもありません。まったく手のうちようもありませんでした。そこに、騒ぎに気づいた部長が顔を出したのですが、Aからは驚くべき言動が飛び出します。『おじさま〜、課長さんがいじめるの』と言ったんです。まさに子供が親に助けを求めているようでした」  どうやらAの父親と部長は同級生で、家族ぐるみの付き合いがあったようだ。    また、あるときには……。 「社員食堂でAのトレーからお椀が落下したことがありました。そのときにも、『きゃあ〜』と泣き叫ぶ始末でした。このようなエピソードがいくつか重なり、社内で“モンスター”と見られていましたが、本人は自分で自分を『可愛いでしょ?』なんて言うこともあって、周囲は呆れるしかありませんでした」
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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