さて、こうしたニュースがあると、“日本の教育から愛国心が失われている”と嘆く声が多くあがりますが、世界各国でも同様のケースが見受けられるのです。
2018年にはアメリカ、カリフォルニア州の高校が壮行会で国歌『星条旗』を演奏しないと決めました。
歌詞の中に奴隷制を肯定するような部分(No refuge could save the hireling and slave from the terror of flight and or the gloom of the grave. 敗走の恐怖と死の闇の前ではどんな慰めも傭兵や奴隷達の救いたりえず サイト『世界の民謡・童謡』による訳)を問題視したのです。全米有色人種地位向上協議会(NAACP)からの訴えもあり、人種差別に抗議するメッセージとしての決断でした。
生徒の反応は様々。「式典で国歌が流れないことは言われるまで全く気づかなかった。そもそもそんなことを気にするのは年寄りだけでしょ」という声の一方、「この判断に至った経緯や思想は理解できるけど、でも国のために戦って命を落とした人たちを学校をあげて称えることの方がもっと大事だと思う」と、国歌を歌わないことに疑問を投げかける声もありました。(『THE CALIFORNIAN』2018年2月9日、『KTVU FOX2』2018年2月13日 筆者訳、まとめ)