業界関係者が注目するコア視聴率
写真はイメージです
プライム帯(午後7時~同11時)に16本あった春ドラマ。最終回の視聴率はどうだったのか。コア視聴率(13~49歳の個人視聴率)のベスト10を見てみたい。
ドラマの質と視聴率は別次元であるものの、視聴率は知っておいて損はない。世間の関心度を知ることが出来る。また、世帯視聴率しか見ないと、ドラマの真の人気度を見誤る。世帯視聴率は、高齢者が好む番組ほど数字が高くなる傾向が強く、家単位で測っているから視聴総数すら分からないためだ。放送の現場では3年前から使われていない。新聞も個人視聴率との併記になっている。
どうして世帯視聴率だけでは人気度が推し量れないのか。たとえばTBS『王様に捧ぐ薬指』は5~6%程度の世帯視聴率が続いたため、一部で不人気作と断じられた。だが、この作品は誰の目にも分かる通り若者向け。コアが獲れれば良いのである。そして狙い通りに高いコアを得たから成功作なのである。
個人全体視聴率は4歳以上がどれだけ観たかの割合。個人全体視聴率とコア視聴率の2つを見ると、「全体の何%が観たか」「13歳から49歳はどれぐらい観たか」が一目瞭然となる。個人視聴率の1%は関東地区の場合、約42万人だ。
最終回のコア視聴率ベスト10は以下のとおり。ただし、6月第3週から4週(12~25日)に最終回が放送された作品に限定した。世帯視聴率も参考値として掲載する(ビデオリサーチ調べ、関東地区)
①TBS『
ラストマン-全盲の捜査官-』(6月25日)
コア4・8%、個人全体8・3%(世帯13・4%)
②TBS『
王様に捧ぐ指輪』(同20日)
コア4・1%、個人全体4・5%(世帯7・8%)
③フジテレビ『
風間公親-教場0-』(同19日)
コア4・0%、個人全体6・6%(世帯10・6%)
④TBS『
ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』(同23日)コア3・1%、個人全体4・2%(世帯7・1%)
⑤日本テレビ『
だが、情熱はある』(同25日)
コア2・8%、個人全体2・9%(世帯5・0%)
⑥日本テレビ『Dr.チョコレート』(同24日)
コア2・6%、個人全体4・2%(世帯7・2%)
⑥フジテレビ『
わたしのお嫁くん』(同21日)
コア2・6%、個人全体3・6%(世帯6・1%)
⑧テレビ朝日『
unknown』(同13日)
コア2・4%、個人全体4・0%(世帯7・0%)
⑨フジテレビ『
あなたがしてくれなくても』(同22日)
コア2・2%、個人全体3・2%(世帯6・3%)
⑩日本テレビ『
それってパクリじゃないですか』(14日)
コア1・8%、個人2・2%(世帯4・3%)
※最終回が期間外のテレ朝『特捜9』、同『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』、フジ(制作・関西テレビ)『合理的にあり得ない』、テレビ朝日(制作・ABC)『日曜の夜ぐらいは・・・』は含まれない。
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員
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