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近所の優しいお婆さんが豹変、“泥沼金銭トラブル”に。息子に「絶縁され帰る家がなくなる」まで

 お年寄り大国・日本。超高齢社会に突入してから早15年以上が過ぎ、高齢者にまつわるニュースは明暗いずれも枚挙にいとまがない。今回紹介するエピソードは、残念ながら闇の方。“ほっこり”の皮を被った恐怖体験を語ってもらった。 「ご老人に対する姿勢が“ガチ”で変わった経験でした。長く生きている人間は、やはり舐めてかかっちゃダメですね」  梅田和馬さん(仮名・29歳)がそう切り出した事件は、今から6年ほど前にさかのぼる。
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画像はイメージです

一緒に上京した彼女がホームシックに…

「メーカーの製造職として就職が決まって、東北の田舎から東京に出ることになりました。せっかくなので、交際中の彼女とも同棲することにしたんです。ゆくゆく結婚するつもりでしたから」  梅田さんと彼女の結衣さん(仮名)が住んだのは、築50年以上になるアパート。長年住んだ地元を離れて心細いなかでも、彼女と支え合う生活に胸を膨らませていた。 「ただ、周りに頼れる人は誰もいないので不安も大きくて。もっとも職場という拠り所がある私はまだよかったのですが、私だけが頼りである結衣がホームシックにかかってしまったんです。そんな時に、近所に住むおばあさんと出会いました。その荻野さん(仮名)の自宅は駅までの通り道。軒先でよく鉢植えをいじっている荻野さんに、声をかけられるようになったんです」

東京でのご近所付き合いは嬉しかった

 荻野さんは気さくで明るい性格。すぐに見知った仲になった。 「私は朝早くから仕事をしていたので、たまにしか会いませんでした。けれど結衣は不定期でアルバイトをする程度でしたから、荻野さんと会う機会も多かったんでしょうね。頻繁に会話に登場するようになりました」  荻野さんの名前も聞き慣れたある日、帰宅した梅田さんを出迎えたのは結衣さんだけではなかった。結衣さんは荻野さんを、自宅に招くほどの間柄になっていたのだ。 「知り合いがいない土地でしたし、東京でご近所付き合いができるとは予想外で。心が温まる思いでしたね。なにより結衣の笑顔が増えてうれしかったんです」
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“第二のお母さん”呼ばわり…頻繁に家に招くように
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込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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