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「パチンコ店のサクラ」で月40万円稼いだ44歳。怪しまれないために存在した“ルール”とは…

 昔から業界都市伝説として聞いたことがある人も多いであろうパチンコ店のサクラ。あらかじめ出玉やメダルの大量獲得が期待しやすい優良台で遊戯し、「この店は出ている」とお客に思わせる印象操作がその目的だと言われている。  金属部品工場で働く武田恭司さん(仮名・44歳)は、20代前半の数年間、パチンコホールのサクラとしてアルバイトしていたとか。もともと趣味でスロットを打っていたそうだが最初は勝ったり負けたりの繰り返し。トータルでの収支はマイナスのどこにでもいるごく普通の一般客だった。  だが、02年のある晩、中高生の頃に自分のことを可愛がってくれていた地元のT先輩から久々の電話。はじめは近況報告やスロットの話で盛り上がっていたが、唐突に「ちょっとバイトする気ないか?」と言われたそうだ。
パチンコ

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日給は1万5000円。獲得メダルの枚数が多ければボーナスも

「それがパチンコ屋のサクラでした。そんな話が本当にあるんだという驚きと自分がそれをできる嬉しさもあり、その場で『喜んで!』でバイト先の居酒屋みたいなノリで返事したのを覚えています」  筆者は若手ライター時代、パチンコ店や新機種の広告記事などを担当していた時期があり、業界関係者との付き合いはそれなりにある。実は、都市伝説などではなく昔はサクラが存在していたこと、当時はそういう連中を使う一部のホールがあったことを噂レベルの情報として認識していた。  ちなみに武田さんを誘ったT先輩はサクラのグループの幹部。連絡は携帯メールで行い、打ちに行くのは週3~4日。基本的に住んでいた県や隣県のホールが多かったが遠方に打ちに行くことも時々あったそうだ。 「半月くらい前には『この日明けといて』と言われますが、場所についての連絡は前々日か前日。情報漏洩を防ぐために直前まで教えないようにしていたそうです。いずれにしても普通の仕事との両立は難しいため、それまで働いていた居酒屋のバイトは辞めました」  あと、気になる報酬についても組織によって多少異なるようだが、彼が所属していたグループの場合、基本日給1万5000円。これに収支がプラス10~15万円で1万円、15~20万円だと1万5000円、20~25万円なら2万円といった具合でボーナスが加算される仕組みだったそうだ。

ホールでは仲間と他人のフリをする

「打つのはスロットオンリーで、座る台は必ず高設定でした。私はどういうやりとりが行われているのかは知りませんが、事前に先輩のほうから『○○は○番台』って感じで指示があり、好きな機種を打てるわけではありません。まあ、高設定台なら万枚オーバーでボーナスが付くことも多かったし、どの機種でもこっちは全然文句なかったですけどね(笑)」  なお、サクラとしての武田さんの最高勝ち額は、2万数千枚のメダルを獲得して40数万円勝ち。取り分は基本給1万5000円+ボーナス4万円の計5万5000円だったが、それでも取り分としては十分すぎるほどだ。  このほかに交通費は実費を別途支給。ただし、食事代や遊戯中の飲み物代は自己負担だったそうだ。 「大体月の半分はサクラのバイトが入り、平均月収は30~40万円。まあ、好きなスロットでそれだけ稼げるなら文句はないですよね。けど、プライベートでもスロットを打ちに行ってたから収入は半分やそれ以下に目減りすることも多いんですよ。私の場合、パチプロのようにコンスタントに勝てる技術も実力もなかったので」  ホールにはT先輩を含む、4~5人1チームで行くが、ホール内では全員他人のフリで声をかけたりはしなかったそう。用事がある場合は、すべて携帯メールを通じて行う念の入れようだったそうだ。 「常連客とのトラブルを避け、サクラのことを知らないホール従業員から怪しまれないためです。だから、見た目に関しても『派手な格好は控えるように』なんて指示もありました」
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「爆裂機」が減ったことでサクラの需要がなくなり…
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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