電車に書いてある「モハ」とか「クハ」って何?
電車の車体に書かれている「モハE230-619」とか「クハE231-515」などの文字。何とも間が抜けたような音の「モハ」「クハ」だが、いったいどんな意味があるのだろうか? ホリプロのマネージャーでありながら、筋金入りの鉄道ファンとして知られる南田裕介氏に聞いた。
「これは電車の形式を記号化したもので、『クハ』なら『ク』と『ハ』、『モハ』なら『モ』と『ハ』に分けられます。まず、1文字目の『ク』は運転台付き電車(制御車)で、基本的には先頭車。『モ』は、運転台は付いていませんがモーターが付いている中間電動車です。“モーターのモ”と言われています」(南田氏)
「ク」は駆動制御車のクとかクルー(乗務員)のクなど、諸説あるという。
ほかにも、モーターも運転台もなくただ引っ張られる「サ」の車両などもある。モの車両に挟まれて“差し込まれる”ことから「サ」になったとか。
ク……運転台付き電車(制御車)で、基本的には先頭車
モ……運転台は付いていないが、モーターが付いている中間電動車
サ……モーターも運転台もなく、引っ張られる車両
クモ……運転台付きで、モーターも付いている制御電動車
「2文字目の『ハ』は等級について表していて、イロハのハ。もともとイは一等車、ロは二等車、ハは三等車でしたが、現在はイはなく、ロはグリーン車、ハは普通車の意味になっています」(南田氏)
イ……一等車⇒使われてない
ロ……二等車⇒グリーン車
ハ……三等車⇒普通車
「モハ」「クハ」に続くEはEAST(JR東日本のこと)で、中央の3桁は直流・交流などの「電気方式」について、通勤型・近郊型・特急型電車などの「種別」について、最後の3桁は「製造番号」について表しているそうだ。
ちなみに、「サ」はモーターがないため、比較的静かな車両。
「そのため、サハのうちモハに近い車両が、揺れや衝撃が小さく、比較的静かで乗り心地がいいのではないかなと思います」(南田氏)
まあそこまで考えて乗ることはないかもしれないが、こういったウンチクを知っていると、ちょっと電車に乗る楽しみが増えそうだ。 <取材・文/横山 薫>
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ