消費税10%アップで小売店や飲食店は壊滅的打撃
今回の消費税増税で大変なのは、一般家庭だけではない。消費税が10%にアップすれば、ダイレクトにその影響を受けるのが小売店。今回、増税が確定すれば、やはり商品の値上げは避けられまい。
「増税になれば原材料の値段も上がるので、値上げをしたいのが本音です。でも、自動販売機のジュースみたいに『120円』『150円』などと定価が決まっている商品は、値上げするたびに売り上げが落ちてしまう。他社も値上げすればウチも足並みをそろえる可能性が高いですね。そのほかに顧客離れが少なさそうな『内容量を減らして価格を据え置き』『容量を増やして価格もアップする』などの案も出ていますね」(飲料メーカー社員)「小売店は、価格をそのままにしても爆発的に売り上げが伸びるわけではないし、価格を上げたら上げたで買ってもらえなくなる。悩ましいところです。今のところ仕入れ先からは『値上げをしろ』などといった打診はなにもないです。決定がなされたら周囲に合わせて動くつもりですが」(酒屋店主)
また、安さと手軽さを売りにする飲食店ではこんな悲鳴も。
「『1杯400円のラーメン』を売りに長年やってきたし、学生向けの商売なので値上げは絶対に無理。これまでにもスープに使うラードをサラダ油に切り替えたりするなど対策をとってきたが、今度は何を削るべきか……。しかも、そのたびに常連さんには『味、落ちたね』と見抜かれて、いたたまれない気持ちになりますね」(ラーメン店店主)
小売りや飲食店は景気にもっとも敏感な業界。結果的に、客の消費が落ち込み、閉店が相次ぐ……などといった負のスパイラルが起こらないといいが。
― [消費税10%ライフ]完全シミュレーション【5】 ―
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