プロ野球セ・リーグは巨人がぶっちぎりで優勝を決めた。新聞やテレビでは「3年ぶり」と騒いでいたが、そのぐらいで「ぶり」と言われても……と思った他球団ファンは少なくないのではないか。 　そこで、各球団のファンに「何年に1回優勝してほしいか？」を聞いてみた。 　まずは現在セ・リーグで最も優勝から遠ざかっている広島東洋カープのファン。 「12年に1回で十分。理由は（6球団なので）通常6年に１回は優勝して然るべきところですが、その半分の確率でも堪えられる精神力をカープファンなら持っているから。ただ、15年間Aクラス入りさえないのは……」 　直近のAクラスが97年の3位で、優勝となると91年までさかのぼる。もし来年優勝すれば、「22年ぶり」となるわけだ。そんなカープファンからすれば、「3年ぶり」なんて贅沢もいいとこだろう。 　98年に日本一になって以来優勝がなく、ここ数年は最下位が定位置の横浜DeNAベイスターズのファンもすこぶる謙虚だ。 「10年に１回くらい優勝してくれれば感動がそれなりに大きいかな、と。あまり間隔が狭すぎると感動が減りそうで。訓練された横浜ファンは高望みしなくなるのです（笑）」 「死ぬまでにまたもう1回でいいから日本一になってくれれば……。20年か30年に1度で満足してしまうのもどうかとは思いますが（笑）」 　03年、05年に優勝し、この10年ほどは強かった阪神タイガースのファンも、それ以前の長い暗黒時代を知っているだけに贅沢は言わない。 「球団数的には6年に1度であるべきだが、12年に1度ぐらいがめでたい。干支ペースぐらいが、優勝のありがたみを実感できるから」 「常勝はかえってタイガースらしくないとは思うが、さすがに18年とか21年とかは長すぎるので、せめて10年に1度。そのかわり2年連続優勝で、2年目は日本一！てのが盛り上がると思う」 　仰木監督時代の95年以来優勝のないオリックス・バファローズ（合併した大阪近鉄バファローズは01年に優勝）のファンも「優勝は15年に1度程度でいいです。でもCS圏内には隔年ぐらいで入っててほしいのと、CSに出るからには1勝はしてほしいです」と慎ましい。 　一方、優勝の常連球団のファンは、やはり基準が少し違うようで…… ⇒【後編】へ続く https://nikkan-spa.jp/301085 ＜取材・文／新保信長＞