更新日:2013年03月08日 13:44
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「同署は逃げた男の行方を追っている」当たり前すぎる報道用語の謎

「むしゃくしゃしてやった」「ムラムラしてやった」など、事件報道には日常ではあまり使わない特有のフレーズがある。ほかにも「バールのようなもの」とか「みだらな行為」とか、気になる言い回しがいろいろ。そんな事件報道における定番用語のナゾに迫る! ◆Q.「同署は逃げた男の行方を追っている」とか当たり前じゃない? イメージ「深い意味はないですね。何となく収まりがいい、ぐらいの話で(笑)。最近は新聞の文字が大きくなって、その結果、記事の文字数が減っていますので、そういうどうでもいい一文は削る方向にはありますけどね」(全国紙で社会部経験の長い記者B氏)  確かに“行方を追って”なかったら、そっちのほうがニュースだ。 「ただ、記事の決まり文句も徐々に変わってきているんですよ。以前なら『東京地検特捜部は強制捜査する方針を固めた』と書いていたような記事が、ここ10年ぐらいは『方針を固めた模様』や『強制捜査を視野に入れて』となっています。断定調だと、そんなこと勝手に書くなと警察や地検から怒られたり圧力をかけられたりするんですよ。ここ数年、『警視庁捜査一課が……』ではなく、『○○新聞社の調べによると』というふうに、主語が警察や検察から新聞社に移っているのも、同じ理由からですね」(元毎日新聞記者でジャーナリストの佐々木俊尚氏) ◆A.深い意味はない決まり文句だが、最近は削る方向に ― 事件報道の[ありがち用語]ウラ読み辞典【8】 ―
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